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「もうちょい左」
『…ここかぁ?』
「…取れるか?これ。」

ギリギリ取れなさそうなところでレバーを止める。これなら大丈夫でしょ、とボタンを押すと、へにゃへにゃのアームがゆっくり人形をすくいあげた。

………………ん?

「お、ふたつも取れとるやないですか」

しかし神様は私のことが嫌いらしい。取れないどころか2つも取ってしまった。これじゃあクレーンゲームの得意な女って印象しか与えられないじゃないか。なんでだ。

『……あげる』
「あ、いいんすか。じゃあこっち貰いますね」

なんだか悔しくなったので、片一方をショッピくんに押付けた。にっこり笑顔のくまちゃんが今は憎い。…なんで来ちゃったの君。




せっかくの放課後制服デートなのに、全然理想と違う。辛い。
ショッピくんには聞こえないように小さくため息をついて私はスクールバッグを肩にかけた。

『…ん、じゃあ帰ろー』
「あ、帰ります?」

私が帰るって言っても異議を言う様子もない。それもそれで悲しいかも。そんなに私に魅力がないのか…?

少し行きより重い足取り。テンションも低い。なんだかなぁ、なんて思いながら歩いていたら、いつの間にかショッピくんが居なくなっていた。

え、どこ?嘘、まさか何も言わずに帰った?送ることもせずに?お別れの一言もなし?

こんなの恋人じゃないじゃん、と頬を膨らませる。数時間前の私に言いたい。理想のデートはもうちょい後になりそうだ、って。

『…かーえろ』

ほんとにショック。何から何まで最悪だ。
涙が零れそうになって慌てて服の袖で拭う。
きっと楽しみに思っていたのは私だけだったんだ。ショッピくんは無理して付き合ってくれてただけなんだよ、きっと。
もう別れちゃおうかな、なんてぼんやり思っていたら、ぐいと強く腕を引かれた。

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マーシャ(プロフ) - bhさん» ありがとうございます!あの話私もお気に入りだったので褒めていただけて嬉しいです! (2020年8月17日 21時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最新話のci助教の話信じられないくらい好きです。胸が締め付けられました。ありがとうございました。 (2020年8月17日 0時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - イリアさん» 返信遅くなってすみません!ありがとうございます!嬉しいです…! (2020年8月6日 8時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
イリア - やべーめっちゃすごい(語彙力) (2020年8月3日 10時) (レス) id: f0aa5ac6be (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 闇ちょこさん» リクエスト了解です!ありがとうございます!そう言って貰えると本当に嬉しいです!更新頑張りますね!ありがとうございます! (2020年5月21日 15時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マーシャ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月21日 14時

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