心の埋め合わせ【rbr】 ページ42
私は、男の子が苦手だ。
小学生の時いじめにあってから、私は男の子に強い恐怖心を抱いている。
自分より体が大きくて、力も強くて、とっても怖い。
話すことはおろか、目を合わすことすら嫌だった。
「Aは一生彼氏出来ないね」
「そろそろその男嫌い克服したら？」
何度も何度も言われる忠告。
聞き飽きたセリフ。
耳から耳へと流す行為。
不思議と胸は痛まずに、寧ろどこか安心感さえある。
…いいの。私はこのままで。
彼氏なんていらない。
女の子に囲まれている方が、ずっと余っ程楽なんだから。
そう思っていた。
☆*。
「あ、あの…今少し時間、ありますか？」
高校生になった2回目の夏休み。
人気の少ない住宅街で、私は1人の男の子に声をかけられた。
ビクリと肩を揺らして振り返ると、そこには私よりも幾分か背の低い、可愛らしい容姿の男の子がいて。
年下だろうか、なんて呑気なことを考えていた。
特別大きなわけでも、力が強そうな訳でもない。
男の子を目の前にして恐怖心を抱かないのは、本当に久しぶりだった。
『え、あ、…な、なんでしょう…』
恐る恐る尋ねてみれば、どこか不安げな顔をしながら大通りへの道を聞かれる。どうやら迷子になったらしい。
できるだけ丁寧に道を教えると、彼は嬉しそうに微笑んだ。
「なるほど！ありがとうございます！」
周りに花でも飛びそうな雰囲気に、思わずくすりと笑ってしまう。
彼はひだまりのような笑顔をうかべ、とっても無邪気に言ってきた。
「やっと笑ってくれた！なんか不安そうな顔しとったから、俺なんかしたかな思っててん！笑顔の方が、その、…か、可愛ええよ！」
顔を真っ赤にする彼に、私は心を奪われる。
ほんの一瞬。
刹那の時間。
走り去っていく彼の後ろ姿を、ただ呆然と、見送っていく。
『…また、会えるかな…』
ポツリ、私の口から溢れ出た。
*
「…おいロボロォ。お前ほんっと性格悪いわあ。」
「なんやねん！別にええやろ！」
「あの子は俺だけ見てればええねん！」
小さな彼は静かに笑う。
心の傷は、漬け込むための突破口。
捕まればもう、逃げられない。
「………んふ、計画通り」
いじめをけしかけたのは、一体だあれ？
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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