＊ ページ33
『…そ。いいよね、オスマンは』
「え？」
『仲良しの友達が沢山いて。成績も良くて、先生からも好かれていて。顔もいいから異性だってメロメロだし』
「…それは、」
『でも私は違う。友達なんて一人もいないし、頭だって良くない。運動だって微妙だし、先生からは認知すらされてない。私、学校なんて行っても全然楽しくなんかないんだ』
ドロドロとした私の感情。
全てを吐き出すように言い放つと、扉の向こうの彼はたちまち沈黙してしまった。
…分かってる。
彼は何も悪くないってこと。
全て私のわがままだし、彼は努力しているからこそあそこまで楽しい学校生活を送れている。
それに文句を言うのは筋違いなんだ。
罪悪感から私も思わず口を閉ざす。
しばしその場は静まり返った。
「…そんなこと、ないめう」
突如聞こえる弱々しい声。
それが扉の向こうの彼から発せられたものだと気づくのに、少しの時間を有した。
『…何が？』
「Aちゃんに友達がいないなんて、そんなの嘘めう」
『…オスマンが何知ってるって言うんだよ』
「俺はAちゃんの友達じゃないん？」
息が、止まった。
驚きで何も言えない私に畳み掛けるように彼は質問を繰り返す。
予想外の事態に私は瞠目した。
『それは、』
「俺はAちゃんのこと大切な友達やと思っとるよ。だからこうやって毎日家に来とる。学校に来て欲しいから。一緒に笑って遊びたいから。……ねぇ、本当にAちゃんは俺の事友達やないと思っとるの？」
切なそうな声。
…そんなことない。
本当は、私だって…。
ゆっくりと閉ざされた扉へと近づく。
向こう側の彼の気配。
高鳴る心音。
私は、震える手で恐る恐る取っ手をつかみ、静かにその戸を押し開けた。
「…やっと、開けてくれたね」
扉の向こう側の彼は、私の顔を見て嬉しそうに微笑んだ。
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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