見えない首輪【rbr】 ページ22
☆*。
彼女は、微笑んでいた。
最後の最後まで、彼女が笑顔を絶やすことは無かった。
その最後を見たのがいつだったのか彼は思い出すことは出来ないが、それでもなお、彼女の笑顔は美しかったと言えるのだ。
「なんで……なんでなん？」
ずっと愛おしいと思っていたはずなのに。
彼…ロボロは、小さくそう呟いて桃色の瞳から涙を零す。
世界で1番愛していると思っていた彼女の顔も、名前も、声さえも全く思い出せない。
笑顔の可愛い子だった。今の彼にはそれしか言えない。
彼女が存在していたという証拠すらも残っておらず、どこまで用意周到なのだと彼は肩を落とした。
「名前、覚えてへんのやったら、何処にいるかなんて探せへんやんかっ…！」
彼の最も得意とする情報処理も、この状況ではなんの役に立たない。
それがわかっているからこそ、彼は悔しくて仕方ないのだ。
「なぁ、お願い…帰ってきて。怒らへんから。嫌ったりせぇへんから。」
懇願するように、はたまた彼女を恨むかのように。
彼の言葉は暗くて重い。
全て消し去って自分の前から消えるなんて、絶対に許さない。
ロボロは涙に濡れた瞳で空を睨んだ。
最後に彼女が微笑んだ時に、彼女がロボロに放った言葉。
唯一記憶から消されることなく、鮮明に覚えている彼女の言葉。
その言葉は、永遠に彼の耳に残り続けるのだろう。
『怪我しちゃったから、もうここでは役に立たないけど、私、ずっとみんなのこと応援してるからね』
「え…？何、何言うとるん？嫌や…どこにも行かんとって…」
『―――愛してた。…ううん。これからもずっとずっと、愛してる』
重い重い鎖のように、その言葉は、彼を縛り続けて離さない。
これは彼女が唯一残した、彼を誰にも譲らないための首輪なのだ。
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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