友達の特権【ut】 ページ3
『何？また浮気したの？そろそろ辞めなって』
「えー、だってぇ…」
頬にくっきりと浮かんだ赤いもみじ。
彼がこれをつけて私の家にやってくるのは一体何回目なんだろう。
呆れながら冷蔵庫から保冷剤を取り出すと、ハンカチで包んで私はそっと彼の頬に当てた。
『痛そう…』
「んー…、まぁ慣れとるし、こんくらいはどうってことないわぁ」
『うわぁー…』
「引かんといて！」
慌てたようにそういう彼に、私はいつものように冷たい視線を送る。
彼…大先生は、いつも違う彼女を横に連れていて、浮気がバレてぶたれてはすぐに私の家に転がり込んでくるのだ。
…いつか彼の元カノに刺されるんじゃないかな。
私も彼も。
『浮気なんてやめなよ。いいことないじゃん』
「たくさんの雌を味見できるんやで？最高やん」
『…サイッテー』
こんなこと言うようなクズな彼なのに。
いつもこうやって引いているのに。
私は、どうしても彼のことが嫌いになれない。
ちらりと彼の顔を覗き見ると、いつも通りのへらへらした表情で、私のことを見つめていた。
『…何？』
「なんでもないでー」
…あぁ、そういうちょっといたずらに笑う顔とか。
そういう顔も、意外と私は好きだったりするんだ。
こんな恋、私が傷つく未来しか見えないけど。
ハッピーエンドなんて全く見えないけれど。
…私は、彼の隣に立てるような人になれなくてもいい。ただ、そばにいられる人になりたいの。
彼の元カノたちのように捨てられることなく、こうやって関係を途切れさせなくてすむような関係。
―――そう。それでいいの。
私はそれで、満足だから。
「んー？Aちゃん？どうかしたん？」
『なんでもないよ。今度から少しは自重しなよ』
「やーだ」
大先生だって、そっちの方が都合がいいでしょ？
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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