＊ ページ18
☆*。
「…余所見しとったら、俺には勝てへんで」
突然の重い一撃に私の体の重心が僅かにぶれる。
その隙を彼が見逃してくれるはずもなく、私のナイフを遠くに弾き飛ばすと一瞬で地面に縫い付けた。
『…あーあ…。やっぱり勝てないかぁ…』
「…何で…こんな、事…」
『さぁね。元々あんたたちの敵だったんだもの。理由なんかないわ』
「…っ、仲間やと、思っとったのに…！」
『……私は、思ってなかったわ』
彼は感情を押し殺したような声で小さく呟く。
私は、嘘でも1番言いたくなかった言葉を彼に浴びせた。
人一倍甘えん坊な彼はその言葉にくしゃりと顔を歪める。
……ごめんね。
でも、そのまま私を嫌いになって。
そして一生恨めばいい。
そうすれば、きっと貴方は私を殺しても罪悪感なんて持たずに済むから。
ゾムは震える手で私の喉元にナイフをあてがう。
そんなに震える手だと斬りにくいでしょう？
いつもの威勢のいい態度はどうしたの？
人を殺めるとき、あんなにイキイキしているじゃない。
…ポタリ、と私の頬に水滴が落ちる。
―――これは彼の涙。
彼の苦しみ。
…私の、罪。
ごめんね、なんて今更酷なことかもしれないけれど、私だってあなたとの最後がこんなんなのは嫌よ。本当は辛い。
だけど、仕方が無いの。
彼のナイフを持つ手に力が篭もる。
あぁ、これでお別れなのね。
寂しいような、苦しいような、辛いような。だけど静かに笑ってやる。
最後まで、あなたが私を恨めるように。
鋭利なナイフが、私の首を静かに滑った。
―――さようなら。
………ごめんなさい。大好きよ。
私の瞳から、透き通った涙が1粒零れた。
不思議で、怖くて【shp】→←貴方と最後の駆け引きを【zm】
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マーシャ(プロフ) - めるさん» 基本的にここにあげてるお話はツイッターで上げていたお話なので更新速度かとてつもない速さになってます笑。内容はフォロワーさんなどにリクエストとかいただいて書いてます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 更新スピードの速さにびっくりしています…！お話のネタってどうやって考えているのですか？ (2019年9月20日 17時) (レス) id: 00dabe47f6 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 名無しさん» ひょえ、ありがとうございます…！微妙なところで終わったので、気が向いたら続き書こうかな、と思ってます。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 942f8fba2e (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 猫の日の話がとても好きです (2019年9月18日 21時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
ねおる(プロフ) - マーシャさん» そうなんですね・・・ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 0c3e920e49 (このIDを非表示/違反報告)
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