環境 ページ4
俺が先程まで居た神聖な雰囲気の場所は、街から少し離れた場所にあったようだった。開けた丘のような場所に建つ建物は、なんだか教会のように見えた。
「なぁハナキ、お前はなんでここに居たんだ？」
そうハナキに問うと、少し考える仕草をして
「ナナセは……さっきここに来たばっかりなんだよね？」
そう、俺に再度確認をする。なんで苗字呼びなのかって？そりゃあ初対面で突然名前呼びされるって気持ち悪いとか思われたくないからだろ？！その思考自体が気持ち悪いのも分かってるし、俺がビビリなのも分かってんだよ！
「そうだな」
騒ぎ出した脳内の俺は置いといて、問いに正直に肯定する。ここで嘘を言ったってしょうがないし。
「……だったら、街に行ったら分かるかも」
ハナキは少し気落ちした様子で、そう提案した。
×
「なぁ、この世界って…」
街に向かいながら、情報を得るためにこの世界についてハナキに聞く。
「『マホドーラ』って言う場所みたいだよ？」
そういえば、祭壇らしき場所に書き込まれていた文字にも、そう書いてあったな。少し後ろを振り返ってみると、先ほどいた神聖な感じの場所は、割と遠くに見えていた。
「よく分かんないけど……魔法とか色々使えて、ファンタジー？みたいな感じ」
ハナキはそう言葉を続ける。だけど『みたい』ってどういうことだ？歩き進めているうちに、段々と民家らしき建物達が増えてきた。見た限り、建物は木や煉瓦で出来ているようだ。
「なんか曖昧だな」
「だってあたし、ここに来たばっかりなんだもん」
少し気になった部分を指摘すると、ぷくっと頬を膨らませてハナキは少し拗ねたように答えた。なんだか仕草が幼いように感じたが、見た目に合っていたので気にはならなかった。
「お前もなのか？」
ただ草を除けたような土の道から、徐々に石畳が現れ始める。それは砂に埋れていたりひび割れていたりとあまり整備されていなかったが、街に近付いている様子が目に見えて分かった。
「うん、ついこの間……って言っても、半年くらい前なんだけどね」
半年か……。俺より多少はこの世界の事を知っているだろうけれど、完全に理解出来たかと聞かれると微妙な期間だ。
「……それにしても、」
気が付けば、街の中に入っていたようだった。完全に人間とは言えない見た目の人達がちらほら見え始める。ハナキの方を見ると、同じ気持ちだったようで。
「……うん、そうだよね」
気不味そうに頷く。
何というか、汚い。
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鬼灯(プロフ) - 先に言っておきます、主人公にムカつくのならば、私の考えた設定に見事ハマっております。この主人公、(あるいは数名の登場人物)には、少しイラつくような、不愉快になりそうな要素をいくつか混ぜ込んでおります。主人公の察しが鈍いのもそのせい。(もはや言い訳) (2020年11月28日 12時) (
レス) id: 0ae018eaaf (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯(プロフ) - 蟻さん» コメントありがとうございます！頑張って完成させたいと思います。 (2020年9月27日 0時) (レス) id: 0ae018eaaf (このIDを非表示/違反報告)
蟻 - 続きが気になります！ 時間がある時で大丈夫ですので無理のない更新頑張ってください (2020年9月26日 17時) (レス) id: 25e4f6e788 (このIDを非表示/違反報告)
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