Prisonerworld【小説】

今日も今日とて 【守】【一颯】 ページ8

「はぁ〜…今日も今日とてご飯が美味しい…サイッコー…」

一人で朝食を食べているので、無論返事とか合いの手とかは無い。
…あ、いや、決して俺はボッチでは無い。ただ今日はなんとなく一人で食いたいな〜って、ほんと、それだけ。ボッチじゃない。


…それにしても、思っていたより早く慣れてしまったものだ。
前までは家でご飯を食べていた…が、今はこの箱庭で知らない人とこうして朝食を食べている。いやまあ今は大体の人分かるけどさ？
絶対に無理だ、絶対慣れない。そんな事を思っているのは束の間で、思っていたよりずっと早く慣れてしまった。それにみんなキャラが濃いっていうか…個性的っていうか…いや、言わぬが花だね、うん。…まあ、そんな集団に慣れるだなんて思ってなかった。その上、気付いたら第一部隊の隊長になっていた。なってしまった。…………いやあ、驚きだよね。
いやだってさぁ…なんか能力あるー！スゲー！！…エッッッッ戦うんですか！？戦わなきゃ死ぬ！？ええぇぇちょっとなにそれ俺死ぬの！？いや戦いってことは相手を殺すわけで…？？…いやもう分からん俺は死にたくない！頑張れ俺！とかしてたら隊長だよ？？おかしいって…。ほら見てよ俺眼鏡してるし装備薄いし髪長いし…どっちかと言うと参謀だろ…？？(見た目だけ)
………まあ、なっちゃったものはしょうがないから頑張るけどさぁ！

そんな事を思いながら箸をまた口に運ぶ。
…あ、ご飯が無くなってしまった。なんか今日ちょっと少なくないか…？？
…いやまあいっか！作ってくれるだけありがたいもんね！

「ごちそうさまでした！」

ぱん、と手を合わせて食器を持っていく。
食器をを持って行くときに腕と食器の間から垣間見えるガーディアのみんなの顔は今日も今日とて元気だったり無表情だったりでいつも通りだな〜、なんて思った。
…さて、今日はどんな仕事があるのかな！レボディショナルのシェルター直接攻撃はしたくないなぁ、四温居るんだもん。

「…うぅん、ま、悩んでても仕方ない。よし、事務仕事でもするか〜！」

だって戦闘より事務仕事の方が平和じゃん？
そんな事を考えたりしながら俺は自室へちょっとだけ小走りで向かった。

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