402話 ページ37
「それは美しくもあり……盲目的で醜くもあった。時に人々は神を『認めたくないものを糾弾する』ための道具に使い───そして……自分勝手に神の像を振り回す。私には、つねづね疑問だった……『その人々を見て、神は真にどのように思うのだろうか』……とな」
グレイが諭すように語り始める。ザックもまたその言葉をしばらく黙って聞いていたが、すぐにしびれをきらした。
「……はぁあぁ？」
ザックの呆れたような声に、グレイもまた呆れたようなため息をついた。
「少しは大人しく話を聞いてはどうだ？ザック、お前は素直だが……そういう配慮に欠けている」
「うっせぇ！ 意味わかるように説明しろって言ってんのに、ぜんぜんわかんねぇからだろ！」
グレイの子どもを叱るかのような口調にザックは腹を立てたのか声を荒らげる。そしてAの方を振り返った。
「おい、A！ お前はこいつが何言ってんのかわかんのか！？」
「え？ いや、わたしは……うん。わたしもそういう人たちを見てきてるし……」
「はぁ！？ なんでわかんだよ！」
同意を求めたのに思わぬ答えを返されたザックは地団駄を踏む。諌めるように、グレイが咳払いをした。
「まぁ、よい。……とにかく私は、『神の身として、改めて神の目線に立ってみたかった』ということなのだよ。このビルは、それを試す庭園のようなものだ。B8に置かれた人間は、その観察対象に過ぎない」
「───かんさつたいしょう？」
ザックの口は開きっぱなしで、やはりグレイの話は難しいらしい。Aはそんなザックを横目でチラチラと見る。
A自身は、長い期間を神父と共に教会で過ごしたために神父の思考を少なからず理解できる。しかしその全てを理解することはやはりできないし、この話を聞いた人が、普通に理解できるとは思えない。
それほどまでに神父の思考は複雑で、遠く離れていて───『神』の思考をしているから。
「そして試練と裁きを与えるには天使の手が必要だった。それは、人を殺めることに抵抗がない者が適任だった。ダニー、エディ、キャシー……そしてザックとA、お前たちだ」
ザックが自分の名を呼ばれて動揺したように身じろぐ。
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リア(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、コメントありがとうございます！そしてお返事が遅れて申し訳ありません……！ようやく夢主が前に進む覚悟を決めることができました。残るフロアはあとわずかですが、ぜひ最後までお付き合いください。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします！ (2021年9月25日 2時) (
レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 続編おめでとうございます！！楽しみに待っていました！夢主ちゃんが、きちんと前を向いて進んでいけそうなので、ホッとしました。次はいよいよB1……。夢主ちゃんがどう動くのか、とってもワクワクしています。リアさんのペースで、更新頑張ってください！！ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 0ff7621059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2021年9月1日 16時
