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335話 ページ18

もうずっと前のように思える、最下層での出会いを思い出し、次々に各フロアでのことを思い出した。その中でも、鮮烈に残っているひとつの記憶。



「……Aが誓ってくれたの。『ここから出るまで私のことを守る』って」



 ポツリと吐き出されたレイの言葉を聞いて、ザックは一瞬目を見開く。そして言葉を噛み砕いたその後に、ザックは口元を歪めてニヤリと笑った。


「ハッ……それならなおさらアイツを置いていくわけにはいかねぇな」



 レイが頷きを返す。ザックの力強い眼差しに背中を押されるようだった。



「で、なんかいい方法思いついたのかよ」



 ザックからの問いにレイは頭を悩ませる。今、Aがどう動いているのか分からない。


 Aはザックとレイの前から逃げ去った。今も逃げ出したそのまま、フロアをさまよっているかもしれない。そうなれば、偶然出くわすまで闇雲に歩くことになる。


 もしこのフロアにAの部屋があるのなら、Aがそこに逃げ込んだ可能性は十分にある。それならば、Aの部屋にたどりつかなければならないが、行くべき場所が分からず迷い続けているのが現状だ。


 あるいは、Aの方もザックとレイを探しているかもしれない。先ほどこそ逃げ出したものの、最初はザックとレイを殺そうと襲いかかってきた。今度こそ『天使』として命を奪い取るために、こちらを探しているとも考えられる。


 となれば。
 今必要なのは『目印』だろうか。



「ザック」


「あ? なんか思いついたのか?」


「ナイフを貸してほしい」


「なんでだよ」


「目印が必要なの。Aにも分かるような目印が」



 怪訝な顔をしながらザックがナイフを渡すと、レイはカバンの中から糸を取り出す。そして、ある程度の長さにまで伸ばした糸を切るとドアの取っ手部分に結びつけた。



「こうすれば、どこの部屋に行ったのかがわかる」


「おー……そんじゃ、とっととAを見つけてこのフロアからでようぜ」


「うん」



 見るからに機嫌の良くなったザックが進み始める。糸とナイフをしまう暇もなく歩き始めたザックを、レイが慌てて追いかけた。


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リア(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!二度入ってしまったことはお気になさらず!一気読みしてくださったと聞いて嬉しい気持ちでいっぱいです。かなりゆっくりの更新となってしまっておりますが、今後もぜひ読んでくださると嬉しいです! (2021年2月15日 22時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
あや - すみません、二回も同じ文が入ってしまいました(汗) (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 黒白の猫さん» コメントありがとうございます!まさか私の書いた文章でそんな風になって貰えるとは……!?(?)ここからの展開もお楽しみいただけると幸いです! (2020年10月13日 19時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2020年7月13日 20時

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