331話 ページ14
ザックはまた、放たれた弾丸を後ろに退きつつ避ける。避けきれなかった弾丸が、皮膚を掠めていく。あまりに激しく動くものだから、体力の消耗が激しい。
耳を裂くような銃声。チャリン、と冷たい音を立てて薬莢が落ちる。
素早く弾倉を取り外し、リロードするAのその手つきは慣れていて、呼吸の一部のように滑らかだ。
「ザック、すごい。全然当たらない。さっきまで大怪我してたとは思えない」
Aは抑揚のない声で軽口を叩くようにそう言うと、首をかしげてまたもや銃口をザックに向けた。
「ちっ……お前だけ飛び道具使いやがって！」
ザックが怒りにうち叫ぶと、またもやAに向かって駆け出す。真っ直ぐにAに向かって襲いかかると、今度は横向きにカマを振り抜いた。
Aはそれも簡単に避けてみせると、つまらなそうな、しかし楽しそうな、感情がぐちゃぐちゃに入り交じったような表情をザックに向けた。
「くそ、てめぇどんなスーパー身体能力だよ！」
ザックはイラついた声で吐き捨てた。Aは体勢を立て直し、ふぅ、と一息つく。
「ザックは、やっぱりすごいね。……だったら、先にレイを殺しちゃうね」
Aはそう言って凍りついたような薄い笑みを浮かべた。そして、狂気に見開かれた目が、ザックの後方、レイの姿をとらえる。
「そうはさせねえぞ！」
ザックが勢いよくカマを振ると、Aは少し避けそこなったらしい。その細い腕に小さな傷が入る。少し驚いたような表情でAはその傷を眺める。その隙にザックは追撃しようとAに迫っていた。
────ガキンッ！
だが、その一撃は防がれる。
Aは、ほんの小さなナイフでザックのカマを受け止めていた。
渾身の一撃を止められたことに、ザックが少し動揺する。と、Aはその動揺を読み取り、ナイフを繰ってカマを振り払うと、そのままの勢いのナイフでザックの心臓を狙った。
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リア(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます！二度入ってしまったことはお気になさらず！一気読みしてくださったと聞いて嬉しい気持ちでいっぱいです。かなりゆっくりの更新となってしまっておりますが、今後もぜひ読んでくださると嬉しいです！ (2021年2月15日 22時) (
レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
あや - すみません、二回も同じ文が入ってしまいました（汗） (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです！ 次の展開にドキドキです！ 更新頑張ってください！ 楽しみに待ってます！ (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです！ 次の展開にドキドキです！ 更新頑張ってください！ 楽しみに待ってます！ (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 黒白の猫さん» コメントありがとうございます！まさか私の書いた文章でそんな風になって貰えるとは……！？(？)ここからの展開もお楽しみいただけると幸いです！ (2020年10月13日 19時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2020年7月13日 20時
