25話 ページ26
「あぁ、レイチェル……そんな顔をしてしまって…本当に、ただの青い目になってしまったんだね、僕は悲しいよ、レイチェル……ねぇ、本当に思い出さないかい？ どうして君がここにいるのか。こんな目にあっているのか……そうすれば、君は君を取り戻すのに」
「先生！」
「あの素晴らしい目に戻って、僕とともに生きようよ、レイチェル……」
ダニーはどこか祈るような表情で、レイの手を取った。それはまるでレイが生き返るのを待っているかのようだった。
「……ダメか」
失望したように、レイの手を離す。
「先生お願い、本当にここから出して！」
「レイチェル、それでも君の目は今までのとの人間の眼球よりも、ずっとずっと美しいよ」
「離して！ 私、お父さんとお母さんのところへ帰りたい……！」
ダニーはレイの叫びに少し考えるような素振りをみせると、再び微笑む。
「大丈夫さ、君はすぐにお父さんとお母さんに会えるよ。君のお父さんとお母さんは……」
────君を、地獄で待ってる。
レイのリン、と耳の奥で鈴の音が響いた。
まぶたの裏に青い満月の映像が浮かび上がる。
「…………」
レイは長いまつ毛を震わせて、瞬きをした。
「レイチェル……？」
レイは生気を失ったような、光のない目でダニーを見た。世界の終わり。そんな気持ちで。
「レイチェル……！」
ダニーはレイと反対に、この世の至福をすべて身に受けたような歓喜の声をあげた。
「あぁ！ やっぱり君はなんて素敵な目をするんだ！ 今すぐこれを外してあげるよ！」
ダニーが歓喜に打ち震えながら、レイの拘束具を外していく。
「さあ！ 行こうレイチェル！ 僕はなんて幸福なんだ！」
そしてダニーが叫んだ時。
手術室の入口から、どこか見覚えのある背の高い影が飛び込んできた。ダニーは瞬時に振り返るも、何もかも遅い。
幸福に満ちた歓喜の表情が、赤い血しぶきとともに苦悶の表情へと変わる。
「ヒャハハハハハ！」
レイは狂気的に笑う男と、今、目の前で切り裂かれ、その場に倒れたダニーを冷めた目で見ていた。レイにとって目の前で起きた出来事など、もはやどうでもよかった。
そんなことより────。
心の中は、蘇る記憶と、青い満月の光に満たされて、あの日のように、ざわめいていた。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
