【実l況l者】好きを更新し続けよう【短編集】 (ページ7)

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期間限定の隣じゃ足りなくなる _ky ページ7

学パロ

最近、授業中眠いと感じることが減った。理由のひとつは隣に彼が座っていることだろう。隣の席になるまで、ほぼ一言も話したことがなかった。

初めてまともに話したのは席替えの次の日、普段はあまりやらないくせにペアワークが実施されたのだ。2人で相談してやれよー、と言われたけれど、わたしは1人でできそうだし、彼も確か成績はいい方だった。

とりあえず周りに倣って机を寄せ、よろしくと声を掛ける。彼も同じように返してきて、お互い個人で進めることにした。

「なあ、これさ、こう？」
「…んー、ここまではそれであってる」

聞かれたら真面目に答えるしかない。…けどコイツ、なんてったって距離が近い。物理的にも心理的にもヌッと寄ってくる感じがある。席を寄せてるからある程度は仕方ないけれど、それにしても、それにしても近いだろう。

「え、これなに？」

1回話してしまえば、ハードルが低くなったように感じて、普通に話しかけられるようになった。一瞬緊張したけど、別に他の人と変わらない感じで、普通に心地よくペアワークを終えた。

閑話休題。隣の彼がどうしても気になってしまって、目が冴えまくりなのだ。授業中静かに寝ていたり、真面目に取り組む姿だったり、何をしてても目で追いたくなってしまう。まつげ長いなあ、とか、何回思ったことだろう。

「ん？」

そう声を掛けられてハッとする。まずい、また見てしまっていた。なんでもない、と背筋を伸ばして前を向き直す。

「…なに、」

そこまでは今までも数回あったから、少々申し訳なく思いながらも、いつも通りに落ち着くことができた。しかし、彼は仕返しとばかりにこちらをじっと見てくるのだ。