【実l況l者】ねえ、パートナー【ky】 (ページ28)

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なんとなく名前の聞いたことある温泉に着いた。癒されそうだし、彼の運転する車に乗っているだけでもだいぶ心地よかった。くだらない話をしたり、急に黙ったり、好きな曲をかけ始めたり。

ある程度のワガママを叶えようとしてくれる…うん。実は私、温泉あんまり得意じゃない。効能とか信じてないわけじゃないし、じっくりお湯に浸かるのは好きだけど、すぐに湯あたりしちゃう。

家だったら長湯した後にうだうだしてもいいけれど、子供の頃にスーパー銭湯で湯あたりして知らない人に水貰ったり、とにかく迷惑をかけた記憶が鮮明すぎて、ちょっと苦手。

なんでも言い合える方が良いとか、苦手なのを隠すのは悪いとか、そういう考え方、めちゃくちゃわかる。隠しごとって窮屈になるもんね。

でも私はキヨが選んだ場所を否定したくなかった。…絶対に来たくないわけじゃないしね、お風呂自体は割と好きだし。子供の頃のトラウマみたいなものだから気を付ければいいだけ。

A「じゃあまた後で」

色々な手続きをして男湯と女湯にわかれる。服を脱いでタオルで隠しながらすすむも、誰もいなかった。外にはたくさんいたはずなのに、併設された他の施設にでもいるのかな。

キヨ「こっち誰もいねえんだけどー！」

キヨの大声が聞こえてきて、なんだか楽しくなる。修学旅行感、ない？修学旅行で男湯と女湯の間で話したことなんてないけど、なんかそれっぽくない？

A「こっちもだよ」

控えめに返すと声ちっさ！！と大声馬鹿野郎。温泉なのに落ち着く気配がない。精神年齢低めなんだと思う。常識はあると思ってたんだけどなあ。