会いたいときに会える今 ページ10
週の始まり。
空は青く澄んでいる。
Aは何故だろうか頭がやけにすっきりとしていた。
そのせいか、グループ決めで強引な流れで沢くんと同じになったことも
テーマが予想外のものだったことも
すべてをなんなくどっしりと受け止めることが出来た。
それから、
クラスの女子達がここ最近よく出す話題。
ー 携帯聞けた？
ー 私アドレス渡したよ。
ー ほんとまじやばいよね〜あの2人。
「…なんか取って喰われそうな勢いですね。」
今日も教室の中で聞こえる話に、
栗野さんがそわそわと落ち着かない。
以前からどうやらあの中の見えない入りづらそうな珈琲店に、凄いイケメンがいるとたまに話には出ていたが、
今やそれが知れ渡りそしてもれなく凄いイケメンが2人。
それぞれにタイプの違う2人に、ねぇねぇどっち派？とまで話が発展している。
「Aさん、どっち派ですかぁ」
隣の席で机に力無くうなだれる栗野さんに
「なに、どうされましたか？」 笑って聞くと
「なんかこれだけ目の前で騒がれてるの見ると…日本のここ、このクラスだけでこれで…あーもー韓国では女はよりどりみどりだよね、なんて突きつけられる当たり前の現実に今打ちのめされています〜。」
息もつかずいっきに話して、また、こてんと机に頭をのせる。
Aは、ううむ確かに、と深く同意。
ジョングクくんも、…テヒョンくんだって男なわけで、女の子に言い寄られたらそんなの悪い気はしないよね。
今迄だってそれは色々あっただろうし。
考えたくないけれど、それは出逢う前のことだからそれはそれ。
他の人と恋愛をしてきたのは自分だって同じ。
けれど、
これから先、テヒョンくんは誰かを大切に想ったりするのかなぁ、自分じゃない、誰かを…
ということを考えると心の1番脆いところがぽろぽろと壊れていきそうで。
Aはそこは考えない。
テヒョンくんが日本にいられる時間。
それがずっと短くなって、タイムリミットがすぐそばまで迫っている。
あの時。告げられた現実に耐えられなくて
テヒョンくんを置いて帰って
その後散々、ひとり、部屋でとことん落ちた。
とことん落ちて、残った想いはやっぱり
ただ、テヒョンくんが好き、という非常にシンプルなもの。
だから、決めたのだ。
今日は学校終わりに居残り作業をして
帰り時間はちょうどミモザの閉店時間前。
外へ出ると薄暗くなっている。
涼しく感じる空気を吸って
Aは足早に、駅へと向かった。
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おけ(プロフ) - 一気に読みました‼︎面白いです！更新待ってます‼︎ (2022年1月17日 18時) (
レス) @page33 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
みたろう(プロフ) - このお話大好きで何度も読み返しています。更新楽しみに待っています。 (2021年12月19日 2時) (レス) @page33 id: a75885931d (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - 途中途中泣きながらここまで一気読みしました。切なすぎて苦しいです(; ;)更新楽しみに待ってます！二人が幸せになれますように！！ (2021年4月30日 7時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
ララ - 1からここまで、イッキ読みでした！本当に、キュンキュンするだけじゃなくて、お話そのものが綺麗で、大好きです！ラスト更新、ずっと楽しみにしています！ (2021年1月31日 11時) (レス) id: 0d04b07c3e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 素敵なお話にどんどん引き込まれて、1話から一気に読んでしまいました。読めば読むほど2人の未来は？！2人の幸せは？！と気付けば涙腺まで揺さぶられました。ラスト、2人の幸せを願いながら待ってます！ (2020年12月9日 6時) (レス) id: 57a24d82e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2019年8月25日 16時
