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「テヒョンくん、本当にありがとう。
気をつけて帰ってね。」
他の言葉は全部飲み込んで、
なんとか出てきたAの言葉に、
うん。と頷き、口角をあげる顔をちゃんと見られない。
階段をかけ上がり、２階立てのアパートの、２階の廊下から下を見ると、
ひらひら手を振るテヒョンくん。
お、や、す、みー
口の形を作って、伝えてくるその姿に
その胸に飛び込みたくなる気持ちを抑え
ひらひら、と
手を振り返し、ドアを開けて、閉めて。
Aはそのままドアにもたれかかり、
おでこに手を当てる。
触れられたところだけ、まだ熱が残ってる。
「ただいま…」
いつものように、ひとり呟き
しばらく座り込んでいたけれど
電気をつけて、いつもの流れで
バッグの中から学校のテキストを出す。
テヒョンくん、また電車に乗るのかな。
もしかして、ひと駅、歩いて帰る？
そんなことを考えながら、机に出したノートから、紙がはみ出しているのに気付き
開く。
「これ、沢くんに貸したノート…。」
白いメモ帳が挟んであって、そこには
[携帯番号教えて？
というかLINE待ってる！
Aさんと仲良くなりたい。 沢]
という、彼らしいはっきりとした字と一緒に
彼のであろう携帯番号とLINEのIDが書いてある。
いつの間に…と思いながら
その意図はまだ分からないけれど
仲良くなりたい、という直球の言葉に
Aは素直に感心してしまう。
こんな風に、自分の気持ちを伝えられるって、すごい。
脳裏に浮かぶのは
ーテヒョンくん、もう着く頃かな。ー
Aは携帯を手にする。
この携帯は今一番求めているその人とは
繋がっていない。
「携帯番号、教えて…」
静かな部屋に、Aの声が、ぽっかり浮かんだ。
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ぽるこ(プロフ) - kimnaaさん» ありがとうございます！3を更新中ですのでまたよろしくお願いします。楽しみにして頂き嬉しいです。 (2018年12月11日 18時) (
レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
kimnaa(プロフ) - すごく素敵です…3が楽しみです(*^ω^*) (2018年12月10日 17時) (レス) id: 36d5fb4cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - あすかさん» 綺麗と言って頂き、とても嬉しいです。これからもふとした時に読みたくなるような話を書けるようにしたいと思っています。また続きも是非読まれてくださーい！ (2018年12月7日 23時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - 紫雫さん» はじめまして。こちらで初めてお話を作らせてもらい、こうやって読んでくださる方がいて嬉しいです。素敵な感想をありがとうございます！とても励みになります。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
紫雫(プロフ) - はじめまして。ぽるこさんのお話はじめて拝見させていただきました。引き込まれてあっと言う間にでした…更新楽しみにお待ちしてます！ (2018年12月7日 8時) (レス) id: bf8665b816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2018年11月26日 1時
