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逃げちゃう、って。
そんな逃げてるつもりは…
初対面のとき、全力で走り去ったり
その後も、こそこそ遠回りしたり、
見ないようにしたり、
したけど…
改めて思い返すと、
逃げてる、逃げてる、確かに。
というか、なんというか、非常に感じ悪い。
逆だったら、どう？
そもそも人として、どうなの？
非常に感じ悪いはずの人間に
なんでこう構ってくれるのだろうか。
Aはなんだか、もう、ひたすら申し訳なく思い
「テヒョンくん、ご
「おーまーたーせー！」
ごめんなさい、がかき消されるように
あの女性の店員さんがトレイを運んできた。
Aは自分に突っ込むのに集中しすぎて
階段を上がる音が頭に入らなかったのだ。
「みさとさん、した、だいじょぶ？」
みさとさんと呼ばれた店員さんは、
Aの前にカシスオレンジ、
テヒョンくんの前に、コーラ、らしきものを置いて
「大丈夫大丈夫、月曜日はそんな混み合わないから。それより、」
と、Aの方に向き直した。
「本当に、よかったー！
私のせいで来てくれなくなったらどうしようって思ってたの。
Aちゃん、来てくれて安心したわー。
私ってほら、
”つい余計なこと言っちゃうから”」
そこだけAの耳もとで囁かれる。
「いえそんな、ご心配おかけしました…！」
そんな風に気にさせてしまっていたとは…
からんからん、下から来客を告げる鐘がなる。
「Aちゃん、ピザ食べられる？」
「ピザ、好きです。」
「よかった、今焼いてるから、後で持ってくるわね。
じゃあ、テヒョンくん、あとは」
と何か目配せをして
小走りで下へ降りて行ってしまった。
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2018年9月11日 23時
