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「す、すみません、あまりに良い香りでしたので…」

お客さんなのかどうかって

聞かれてる、よね。


窓から覗き見して、

話しかけられて固まって、

遠慮なく凝視して、


ああ、私、

きっと変な人だと思われたよね…


Aがようやく発した言葉に。


その綺麗な人は、なぜだか嬉しそうに

持っていたビニール袋を右手に持ち替えて


「よいかおり、ですね。


このコーヒー、よいかおり。


ぼくもおなじおもいます。」


そう言いながら

左手で、

鮮やかな青いドアを開ける。


重たそうなドアが、きぃ、ときしんで

からんからん、

とベルの音。



「はいりますか?」


.

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作者名:ぽるこ | 作成日時:2018年9月11日 23時

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