あふれてしまう、そのまえに。 (ページ18)

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たまらないって、言ってたわよ。ページ18

オーナーに深々と頭を下げ

お礼を言い店を出ると、

小雨はすっかり止んでいた。

店にいたのはおよそ30分。

ー時間の感覚がなくなる雨宿りだったなー

店に入る前の
どしんと重たかったものが、

随分と軽くなっていることに気付く。

「ココアも、タオルも、ありがとうございます。
お世話になりました。」

見送りに出て来てくれたこの人にも
Aは深々とお辞儀をする。

「あめ、やみました、よかった。

あたまうたないでよかったです。」

そう大真面目に
また言うから、

今度こそ、こらえられずに笑ってしまう。

笑われると思っていなかったのだろうか

キム•テヒョンは

少しだけ困ったような顔になった。

「キヨウォ…」

え？きよ？うお？
なに？

韓国語？

首を傾げるAの真似をして、

眉をあげて

ん？
と一緒に首を傾げる。

「また、あまやどり、まってます。」

そして

「はんたいのみち、ちがくて、ここのみちがいいです。」

最後に爆弾を落とされた。

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