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甘い匂いが鼻をかすめたとき。
奥からぱたぱたと響く音と一緒に
あの人が小走りで戻ってきて
手にしているタオルを、はい、と渡される。
ベージュ色のふわふわのタオル。
渡されたままでいると、
首をかしげて
「ぼく、ふきますか？」
なんて言われたものだから
慌ててお礼を言い、
少しだけ濡れた肩とリュックを
ぎこちない手で拭く。
Aが拭き終わるのを見届けると、
はい、とタオルを受け取り
ここ、まだ
とタオルで頭をぽんぽん、と拭かれる。
これでよし、と言いたそうに
唇をいっと結ぶと、
「あと、マスターのココアのんで、できあがり。」
.
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2018年9月11日 23時
