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学校の授業中。のんびりとしたテンポの先生の語り口についつい欠伸が出た。だが、そんな生徒たちの様子を見かねたのか、授業は急遽グループワークに切り替えられた。欠伸の気配は何処かへと消え、よくつるむ仲間を呼んで机を並べた。
出された課題をあーだこーだ揉めながら纏める。内容をノートに纏めるのにも飽きて、頬杖をついてふと外を眺めた。

もうそろそろ夏になるであろう暦。空はそれを反映して眩しく輝いている。この日差しがもっと強くなるのだろうと思うと、辟易する。



昨日あの後、急いで家に帰れば思った通り玄関でAちゃんが待ち受けていた。その素直で真っ直ぐな子犬のような姿に、とても癒された。

そして、いつものごとく抱き着いて来た彼女に、思わず口付けをしそうになった。


Aちゃんへの感情は、まっさらで純粋な"愛"。性的な欲は、ない。今までだってそんな欲望は、自分の中に生まれてはいなかった。
では何故昨日に限って?

自分の事なのに上手く理解出来ていないが、恐らくAちゃん以外の人間に、大きく踏み込まれて触れられたのが理由に思う。バイトで交流する女たちは、店のルールを守ってほとんど身体接触がない。だから平気。だが昨日のアイツは違う。


無意識に、Aちゃんで上書きしようとしてたんか?僕は。


そんな結論に至って、頬杖をやめ口元に手を当てる。

こんな不純なモノは果たして"愛"と呼べるのか。僕がやっと見つけた真っ白な"愛"は、今まで出会ってきた女への感情と同じだと言うのか。


そんなのは許せない。

そんな感情を持つ()は要らない。



胸中の暗い感情に我を忘れかけたとき、額に衝撃が来る。あまりの痛さに、手に持っていたシャーペンを落とした。ついでに教室内に情けなく「い"っ"っっった"!!!」という声を響かせてしまった。いくらグループワーク中で教室内がざわついているとは言え、恥ずかしすぎる。



「な、っに"」

「何度も名前呼んだんやぞ」



呆れた顔でこちらを見ているのは捏島孝行。あだ名は「コネシマ」で、僕は「シッマ」と呼ぶことがほとんど。

そのシッマの手が目の前にあることから、こいつが僕にデコピンをしてきた犯人なのは明確だ。
それにしてもとんでもない威力だ。こいつには人の心が無いと常々思っていたが、身体の方まで人間を辞めたのか。

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睡蓮(プロフ) - こう言う監 禁だけど愛のある、、、愛しかないお話大好きです^ ^ (1月4日 12時) (レス) id: 4406a3fc8c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 時雨さん» 【d!×はぴしゅが】が見たくて自己満で作ったモノなので、そのようなコメントをいただけてとても嬉しいです…! (2023年6月14日 22時) (レス) id: 97349c3877 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - d!様も原作も好きなんで供給過多です)) (2023年6月13日 22時) (レス) id: 361218612a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんず | 作者ホームページ:ぽんずワールド  
作成日時:2023年6月10日 22時

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