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A to A《弐》 ページ7



足立一之はミミックの傭兵部隊に奇襲を仕掛け、腹に三発の重症を負った。大量出血による呼吸困難により昏睡状態に。


―――目覚めた後、奇襲の失敗に絶望し、中原中也の目の前で自害未遂。


それだけが、芥川に伝わっている情報だった。


「小僧、あの鬼の仲間か」


敗残兵の一人が、憎悪を隠さずに言った。男は小銃を芥川へとまっすぐに向ける。


「――――敵討ちなら、こちらも同じだ。あの餓鬼に、何人殺されたと思っている……!」


自動拳銃の引き金が弾丸を跳ね飛ばした。


旋回する薬莢(やっきょう)が地に落ち、芥川の矮躯(わいく)を食い破るのが先か。


それとも黒獣が空間を喰らうのが先か。


今芥川が立っているのは、生きるか死ぬかの分かれ道。彼岸(ひがん)此岸(しがん)分水嶺(ぶんすいれい)だ。


しかし芥川の関心は、命のやりとりに向いていなかった。


「敵討ちには興味がない。僕は奴を破った強者と戦いたい。それだけのこと」


いたって単純な破壊の意志だけが、芥川を動かし続けている。


小さな空砲とともに、銀の弾丸が打ち出される。


ミミックは既に闇へと紛れていた。


芥川の視覚でも追えない速度で身を隠した。つまり 敵の経験値は芥川以上なのは明白だ。


―――あぁ、かつての自分なら、防ぎようもなかった。

 
芥川はほんの数秒だけ瞳を伏せて、蘇る師の言葉に耳を傾ける。

 



『君の異能は、虐殺と蹂躙だけの力じゃない。』


貴方は、そう言った。
いつだって 貴方の言葉に嘘はない。


この外套を身に纏った瞬間から、1秒たりとて貴方の言葉を疑ったことなどない。


A to A《参》→←A to A《壱》



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アバンギャルド・マボ(プロフ) - PVの方も見てくださってありがとうございます!!!いつか未来分岐のあるノベルゲーム版を書いていきたいと思っておりますので、その時は是非プレイしてやってください!! 遂行する前から読んでくださってありがとうございます…コメントめちゃくちゃ嬉しかったです… (2019年8月29日 13時) (レス) id: f747016130 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 読み込んでくださってありがとうございます(;_;) 台詞に言及してくださるのが嬉しすぎて…。 細かいことは気にしないを地で行く姿が伝わっていることが大変嬉しい!!ずるいぞお前って言いたくなるタイミングで男前を発揮する芥川が表現できててよかった!!! (2019年8月29日 13時) (レス) id: f747016130 (このIDを非表示/違反報告)
よしな。(プロフ) - あと、PV観ました。何あれすっごいですね!!音楽のセンスと文章ぴったりです!老爺ってまさか……子どもたちってまさか……と思いながら観てました笑。推敲する前から足立シリーズ好きなんですが、もっと好きになりました。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 97ebc294fb (このIDを非表示/違反報告)
よしな。(プロフ) - 不断の糸の芥川が好きすぎる。「どんな人生を歩んできたかなんて過去でしかない」って言えるのは君だけだよ……「文章だけで何を理解できる」か。これから大切なのは今であり未来だと言われてるみたいで。だからこのコンビは好きなんだ。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 97ebc294fb (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - わあああいつも有難う御座います!!この作品は初めて自分がシリアスに着手したやつなので、一番好きだといっていただける方がいるのが最高にうれしいです・・・これからもお付き合いください!!! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 940de82038 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2016年10月22日 0時

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