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刀が迫るまでの1秒。

ゆっくりと、ゆっくりと首筋に迫る銀の刃の向こうで、ふと鴎外の声が聞こえた。




『君は足立君を正しく(、、、)敵だと認識しているのかい』


きびすを返した背中に、厳しく突き刺すような声が届く。

芥川はドアノブに手をかけたまま、首領の執務机の方を振り返る。
鴎外は失望したように、苦笑いを浮かべて首を左右に振った。


『このまま行けば、命を落とすのは君の方だよ。芥川君。
 君には会敵したあらゆるものを破壊する【残虐性】が、生まれつき備わっている。それは傭兵として誇っても良い才に違いないがね、こうも言い換えられる。
君の武力は【敵だと認識したもの】が相手でないと発揮されない』

『だが足立君には戦う動機があるんだ。自分の正義のためなら、どんなものでも敵にできる。
策略の基本は常に相手よりも先手をとることだ。この一点において、今の君は致命的に遅れている』


そこで一度言葉を切った鴎外は、喉の奥から搾り出すように。
迷いなく芥川の瞳を覗き込んで、こう言い切った。

『いついかなるときも、盲目の正義は強い。決して暴力をためらうな』

そうでなければ迎える未来は、悪夢だ。


最期の伝言が頭の中を回り続ける。

薬によって、記憶と現実の輪郭がぼやけはじめた。



『医者としてこの言い方はしたくなかったんだが。いわゆる、解毒剤だと思ってくれ給え』

『これを奥歯に詰め物として仕込んでおけば―――』



芥川は迷いなく、奥歯の薬を噛み潰す。

揺蕩うような揺れが、頭の中からじょじょに引いていく。

寄せては返す波の最中から顔を上げた。



ディアボロ《上》→←残穢《下》



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伊織 - いえいえ!!私が気にしすぎてるだけなのでw お忙しい中目を通してくださってありがとうございました! (2021年8月18日 14時) (レス) id: 399c3e6058 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 伊織さん» また、先述のとおり、多忙につき反映が難しくなってきたため、誤字報告・指摘の窓口は一度閉めることになりました。 せっかくのコメントに、不誠実な対応をすることになっては心苦しいからです。。。 忍びないのですが、今後は「まあいっか!」で流してください( ; ; (2021年5月22日 12時) (レス) id: 253e5eff26 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - そこまで読んでくださった方がいるとは……!誤字報告ありがとうございます!多忙につき、反映に時間がかかると思いますが、物語として重要なシーンなので訂正いたします!ありがとうございました!! (2021年5月22日 12時) (レス) id: 253e5eff26 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - モールス信号なのですが...紹介ページ?みたいなところ、オじゃなくてエになってると思います。オは「・−・・・」かと...図々しくもすみません...! (2021年5月21日 21時) (レス) id: 399c3e6058 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - いつもありがとうございます!!これまでの芥川少年の行動を振り返ってみると「?!」の連続ですよね…笑笑 足立も芥川関係になるとグッズグズになるので五分五分かと思いつつ、やべえなと書いてる自分も思う時があります。 (2018年12月11日 19時) (レス) id: ea18c173c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2018年7月8日 15時

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