竜宮町は、今日も賑やか。 (ページ15)

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私が入ってからの第一声は、おお•••。というみんなのざわめきだった。このクラスには、女子がすくないのだろうか。
「それじゃ、自己紹介をしてもらうワン。」
　しまった、盲点だった。今の私はガッツリ日本人の女子、ここで本名を名乗る訳には行かない。私は頭脳をフル回転し、2秒ほどでいい名前を思いついた。
　黒板に向かい、カツカツと音を立て、今思いついた名前を書く。
「野菊•••••、べにです。よろしくお願いします。」
　消え入りそうな声で、無表情のまま挨拶をする。近寄り難いやつという印象を、皆につけるためだ。周りを見回すと、変なやつばかりだった。亀に桃に••、金髪で赤い帽子を被ったやつとか、どう見てもおむすびのやつとか•••。唯一普通かなと感じたのは、青い帽子に赤い蝶ネクタイをしたやつだった。
？？「おお、綺麗な人だなー。ま、俺のビューティフルボティーに比べれば全然だな！」
？？「失礼なこと言うな。」
？？「このクラスで一番まともそうですね。」
？？「自分はまともじゃないって自覚してるんだ。」
？？「そういう名作はどうなんだ？」
　なるほど、あの青い服のやつは名作というのか。
名作「いや、僕は•••。自覚してます•••。」
？？「やっぱりな。」
名作「ボルトにだけは言われたくない！」
　ほう、あの亀はボルトというのか。おもしろい名前だな。
先生「えーっと、べにの席は、名作の隣が空いてるワン。そこに座りなさい。」
　というわけで、私は名作の隣になった。