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一度Aの部屋から出て行った彼女は、しばらくするとワゴンをカタカタと押しながら戻ってきた。
ワゴンの上にはシャンパン、ワイン、それに合いそうなおつまみ、グラスが２つ乗っていた。
彼女はAの前まで来ると、ニッコリと笑った。
「どこかお洒落なバーにでも…と思いましたが、あまり貴女を連れ回さない方がいいかと思いまして」
『わあ、ありがとうございます』
美味しそう、と嬉しそうに言うA。
カミーユはそれらをテーブルの上に並べた。
2人はソファーに座ると、乾杯をした。
『わ、美味しい！』
「それは良かったですわ。厨房からくすねて参りましたの」
『…なかなかやりますね、カミーユさん』
Aは彼女の意外性に驚いた。
彼女は、いつでも上品な仕草や言葉を発しているからだ。
カミーユはフフフ、と笑いながら言った。
「カミーユ、で良いですわ。貴女とは歳があまり変わらないでしょう？」
『あ…じゃぁ、私の事もAで良いですよ』
すると彼女は嬉しそうに、A、と呼んだ。
何だか可愛い人だな…とAは思った。
「…ところで」
『はい？』
「貴女、前の学校で何をしたのです？変な時期に異動になりましたし…それに何だか、特別な扱いをされていますし」
その言葉に、Aは頬をポリポリと掻いた。
カミーユは続ける。
「…もしかして、例の名前を言ってはいけないあの人と、何か関係が？」
『んん…どうでしょう…実は私もあまり理由がわからぬままこちらへ来たんです』
Aは溜め息をついた。
カミーユはAのその姿が何だか哀しげに見えた為、焦って言った。
「そうだったのですね…ごめんなさい、気を悪くしてしまいましたか？」
『えっ、いや全然…！』
「…話題を変えましょう。わたくしの事を話しても良いですか？」
Aは頷く。
「実は…先程の彼の事ですが、わたくし達は婚約をしているのです」
『へぇー！それはそれは！おめでたいですね』
Aが言うと、カミーユは嬉しそうに頬を染めた。
「先程のは、些細な痴話喧嘩ですわ。本当にお恥ずかしい」
『あら〜、そうだったんですね。すみません、余計な事をしてしまいましたね』
「いいえ、そんな事ないですわ。そのおかげで、こうやって貴女とお話が出来てるんですもの」
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piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…！精進します。これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです！ 久々に時間を無視して読みました！これからも、応援します！ (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：piyo | 作成日時：2019年11月16日 22時
