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Aの私室にて
ーコンコン
ドアをノックする音が聞こえた。
ソファーに座っていたAはノロノロと立ち上がった。
『…はーい』
ガチャ。
ドアを開けると、そこにはハーマイオニーが心配そうな顔で立っていた。
「…入ってもいいですか？」
『うん、いいよ…でも、片付けた後だから何も用意出来ないけど』
Aは困ったように笑うと、彼女を部屋の中に招き入れた。
2人はソファーに座る。
早速ハーマイオニーは言った。
「先生の異動の話…噂になっています」
『そうなんだ、早いね？今日の夕食の時に校長から話をするらしいんだけど…』
「本当に行ってしまうの？」
ハーマイオニーは悲しげにAの目を見る。
Aは溜め息をついた。
『…ダンブルドアの指示は絶対だからね。私だって行きたくないよ…フランス語も喋れないしさ』
こめかみを掻きながら、ハハハ、と笑う。
しかしハーマイオニーは笑わない。
「…スネイプ先生は…何と？」
『え…』
「誰だって、わかりますよ…2人の踊る姿を見ていたら。彼が貴女の事を本当に大切にしているんだなって」
その言葉に、Aは俯く。
『…あの日、ダンスパーティーの後、言われたの…元の世界には行かないで欲しいって』
珍しく、Aはポツリポツリと話し出した。
生徒とはいえ、もう目の前の少女に隠す事が無くなったからだ。
『…シリウスにもリーマスにも同じ事言われたの』
ハーマイオニーは黙って頷いている。
『…私も、ずっとここにいたいの…』
Aの目に涙が溢れた。
ハーマイオニーは驚いたが、すぐに彼女を優しく抱きしめた。
『…それで、ここにいる為には、ハリーの護衛という使命は全うしなきゃと思ったんだ…』
ーその矢先だった。異動の話が出たのは。
『…それが出来ないなら、私、この世界にいる意味無いじゃん…』
独り言のように呟き、項垂れる。
ハーマイオニーはAの背中を優しくさすった。
「…そんな事無いわ。A、貴女が此処にいる意味は沢山ある」
ハーマイオニーはAから離れると、彼女の頬に手を当てた。
「…貴女がフランスに行っても、私が状況を逐一報告するわ。この学校の事、騎士団の活動の事…」
だから私達に力を貸してね、とハーマイオニーは微笑む。
Aも眉尻を下げて微笑んだ。
『…ありがとう、ハーマイオニー…私は貴女の様な立派な魔女に会えて本当に良かった』
そう言うと、ハーマイオニーは嬉しそうに笑った。
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piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…！精進します。これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです！ 久々に時間を無視して読みました！これからも、応援します！ (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：piyo | 作成日時：2019年11月16日 22時
