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私と安室さんが “付き合っている” と思い込んでいる人たちがいる。
ポアロの看板娘である梓さん、女子高生の蘭ちゃんと園子ちゃん、そして私に対してはなぜか辛辣なコナンくん。
もし、先程も述べたように、安室さんと私の心を守りたいのなら、彼女達に勘違いされたままでは不都合か生じる。いや、不都合どころじゃない。守るなんてできない。
情報はどこから漏れるか分からないのだ。勘違いしている人間はたった数人だから大丈夫、なんて思っていたら、それが命取りになる。
あの組織と男なら、彼女達から私たちが付き合っているという情報を得るなんてたわい無いはずだ。だから、絶対にこの誤解は解かないといけないのに。
私はまだ、彼女達の誤解を解けずにいる。
どうして？
このままでは、私だけではなく安室さんにも危険が及ぶかもしれないのに？
影でそっと彼を守って、彼には幸せな未来を築いてほしいと願っていたんじゃないの？
思ってる。思ってるわよ、ずっと。私がもっと必死に勘違いだと伝えれば、彼女達も分かってくれるはずだ。だからもっと必死になって誤解を解こうとすればいいのに。それができないのは……
『好き』
心の奥底では、私が安室さんの特別な存在になって、彼の隣に居たいと思ってしまっているから。
付き合いたい。恋人になりたい。安室さんの隣で、楽しい時間も苦しい時間も分かち合いたい。……離れたくない。
『ははっ……。こんなつもりじゃなかったのに』
どうして工藤邸で私はキスを拒まなかったの。
どうして私は安室さんに好きだと気づいてしまったの。
そもそも、どうしてあの時、私は安室さんの目の前で転んでしまったの。
もっと気を引き締めて歩いていたら、転ぶことはなかっただろう。そうすれば、安室さんに対してこんな感情を抱くことだってなかったのだろう。
工藤邸で “付き合えない” と言って、彼を守ろうとすると同時に、自分の感情にもストッパーさえもかけていたはずなのに、それは役目を全く果たさなかった。
ずるずる、ずるずる。止まらなくて、どんどん安室さんに惹かれていって、いつの間にか引き返せないようなこんなところまで来てしまっていたのだ。
今更、ゲームのリセットのように過去を変えることなんてできない。気持ちだって無くせない。あの時ああすれば良かったと悔やんでも、それは全て仮定の話である。現実にはなり得ない。
『苦しいよ。辛いよお兄ちゃん。これから私はどうすればいいの』
茜色の太陽の光が入り込む部屋の中で、その呟きはあまりにも小さく、誰にも聞かれることなく消えた。
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花松ロン(プロフ) - 初めまして。一気読みさせていただきました！！超面白くて、もう2人の関係にニヤニヤが止まりません笑 更新楽しみに待ってます！！ (2023年2月23日 23時) (
レス) @page37 id: 3241c90ca3 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千(プロフ) - 現在一気読みしているんですがめっちゃんこ面白いです‼︎更新楽しみにずっと待ってます (2022年5月15日 12時) (レス) id: daaa59ce20 (このIDを非表示/違反報告)
いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃ面白かったです！更新楽しみにしてます (2021年2月24日 17時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！続きが気になるとこで終わっている....続きがめっちゃ気になります！いつか更新して頂けることを願っています！ぜひよろしくお願いします！これからも応援してます！！！！！！！！！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 03b3e3161b (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - まなさん» ありがとうございます！番外編の後に本編も必ず更新する予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2019年3月22日 12時
