ピアノとバレー (白布 賢二郎) 3

お手本 ページ46

結「まじで良かったね、奈々。」


奈「うん！ほんとに、奇跡だよ！！」


結「奇跡て。」


奈「初めて声かけられたし、ほんとに幸せだあ・・・」


結「大袈裟だな。」


奈「ねえ結衣、私やっぱり頑張ってみようかな！」


結「え、」


奈「私、ろくに話したことなかったけど、それってよく言えば、まだまだこれからだってことだと思うんだ！」


結「やっと気付いたか・・」


奈「え？」


結「そうだよその通り。これからたくさんアピールすればいいじゃん。」


奈「！、うん！」


結「白布くんに好きな人がいるっていうのは大問題だけど、」


奈「・・うん・・・」


結「それだって逆に言えばお手本にできる人がいるってことじゃないの？」


奈「！」


結「でも、全部真似すればいいってことじゃないからね、限界もあるし、奈々らしさだっt「そっか！！そうだね！」・・・え、？」


奈「あかりちゃんを真似すればいいんだ！そしたら・・・、」


結「うん・・、えっとね奈々、」


奈「白布くんに、好きになってもらえるかもしれない・・・」


結「・・奈々、確かにそうだけど、」


奈「結衣、私決めたよ。頑張ってみる。」


結「え、あ、うん・・」


奈「そしてまず私がしなきゃいけないこと、それは・・・」


結「・・・・・、」


奈「あかりちゃん観察！だよね！！」


結「・・・は？」









あかりちゃん観察、1日目。


今日は朝からずっとあかりちゃんを観察している。


昨日あかりちゃん観察をすると言った時、結衣に微妙な顔されたけど、



・・・自分でもやばいことしてるって、わかってます。



でもやりたいし、誰にも迷惑はかけてない、・・はず！


少し呆れた顔で私を見る結衣を放っておいて、私は友達と話しているあかりちゃんに向き直る。



・・・あかりちゃんは、今日も可愛い。



さらさらの、毛先が少しだけふわっとしてる髪はきれいで、すれ違うといい匂いがするし、


荒れ1つない真っ白ですべすべな肌と、つやつやして形の整った唇。



うん・・可愛い。



私がどんなに頑張ったって、あの顔は目指せない
・・・


1つ追いつけられないものを知って、小さくため息を落としてしまった。



他・・他のもので頑張ろう・・・




1時間目、英語。




澤「ジムとキャシーの間に何かあったに違いない。今日はお互いにまったく話していない。この英文をー、華原！訳して。」



！、あかりちゃん・・！


名前に反応して、私はぱっと顔をあげた。

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