白布くんside6 ページ11
菅野の、普段とは違う悲痛な叫び声。
嫌な予感がした。
俺は階段を駆け上がり、菅野が入って行った部屋へ急いで向かう。
その部屋には・・・
一台のグランドピアノ、
両サイドの壁は、左側に本棚とアップライトピアノ。
右側は数え切れない程のトロフィーや賞状が飾ってある棚。
でもそんなことはどうでもいい。
その黒くて大きなピアノの側で、
華原が、
倒れていた。
白「っ、」
菅野は華原の肩を支えている。
芹「あかり、あかり・・!」
華原は目を閉じていて、いくら呼ばれても覚める気配がない。
不安で鼓動が加速し、胸のざわめきが止まらなくなった。
芹「息は、してるのに・・!」
川「きゅ、救急車・・!?」
追いついた川西がスマホを片手に震えた声で言った。
菅野はすぅ、と息を吸い込み、
芹「あかり!!!」
と、涙声でもう一度叫ぶ。
・・その時だった、
『ん、・・・』
え・・・、
うすく目を開いた華原。
芹 白 川「「「!!!」」」
『んん・・・・あれ、・・芹那?』
小さく、柔らかな声で華原が呟いた。
芹「あかり・・・!」
『・・・どうして泣いて・・?・・え、白布くん?川西くんも?』
安心したのか涙を零す菅野の涙を拭いながら、起き上がった華原はおろおろとこちらを見る。
『な、泣き止んで、芹那。どうしたの。・・・あの、白布くん、これはどういう・・』
華原は次第に普段通り話し始めた。
それを見ていたら、俺の不安も一気に無くなり、
体のこわばりも緩んだ。
・・ていうか、これって。
白「・・・華原、寝てたの?」
そう聞くと、華原はゆっくり頷いた。
『あ・・う、うん。昨日からずっと弾いてて・・・いつのまにか、ここで寝てたんだと・・・』
それを聞いて俺がため息をつくと同時に、
芹「ばか!!」
菅野が大声でそう言った。
『!?』
芹「ちゃんと休んでよ!風邪引くじゃん!それにスマホは!?ラインくらいできるでしょ!!」
『うん、ごめんね・・・、スマホは・・部屋に置きっぱで・・・』
芹「それやめて!」
『は、はい・・・』
華原は菅野に説教をされ、うなだれる。
川「ま、まあ良かったじゃん。寝てただけで。」
白「お前、救急車とか言ってたよな。」
川「白布だって不安で固まってたじゃん?」
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おしお - いえいえ!こちらこそ要望に応えられずすみません・・・実は要望なんて初めてですごく嬉しかったんです。本当にありがとうございました。本当にごめんなさい。 (2019年5月7日 19時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 理由があったんですね! 何も考えずにコメントしてしまい、申し訳ありませんでした。 (2019年5月5日 9時) (レス) id: bd93b7215e (このIDを非表示/違反報告)
おしお - 他にも読者様の中に「夢主を自分の名前に変換したい。」と思っている方がいらっしゃいましたら、参考にしたいので是非コメントで教えて下さい。 (2019年5月4日 13時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
おしお - 百花さん» ご要望ありがとうございます!夢主の名前を自動変換不可能にしているのには理由があるので、申し訳ないのですが少し考えさせて下さい。やり方は知った上です。本当にすみません。 (2019年5月4日 13時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 要望なんですけど、主人公の名前、自分の名前にできませんか? (名前)って入れればその人の名前に自動変換してくれるんですけど、もしやり方わからなかったようならごめんなさい。 (2019年5月3日 18時) (レス) id: bd93b7215e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おしお | 作成日時:2019年3月5日 19時