ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

ティータイム ページ34

『あ、ありがとうございます。』




たくさんあったので、1番好きなフィナンシェを選んだ。



それをアイスティーの横に置いてから、先にアイスティーを一口飲む。




『・・・美味しい。』




ふわっ、とアールグレイの香る美味しい紅茶。



冷たくて飲みやすいので、そのまま2口ほど飲んだ。




優「でっしょー？ちょっと高めの茶葉なのよ。」



『優子さんの入れ方も上手なんですよ。』




そう言うと、優子さんは優しい目をした。




優「ほーんと人を褒めるの上手いわねー、あかりは。」




褒められたのが嬉しくて、少し笑ってしまう。




優「で、だけど。」



『？』



優「あかり、この夏ピアノ以外に予定あるの？」



『・・・とりあえず宿題することだけ、ですかね』



優「勉強抜きで。」




優子さんが呆れたように言う。



・・・勉強抜きか・・




『・・・うーん、今のところは何も・・・はっ！』



優「何、何！？」



『・・・・デート、します。』




そうだ、1番忘れちゃいけないやつ！



これがあった。




優「ほ、本当！？あんた・・・ついに彼氏が！？」



『あ、や、彼氏、じゃなくて・・・』



優「あら、じゃあ男友達と？」




友達・・・



白布くんは、友達・・・とは、ちょっと違う気はするんだけど・・・




『ま、まあ、そんな感じ・・で。』



優「へえ。あかりにも男友達いるのね〜。」



『そ、その人だけです。他の男子とは・・あんまり。』



優「ふ〜ん。あ、でも昔1人いたわよね。あかりが仲良かった男の子。」



『・・・はい、いましたね。』




その子は、ピアノで知り合った男の子。



今はどうしているんだろう・・・




優「それにしても・・デートねぇ。どこ行くの？」



『花火大会です。』



優「あ、それ仙台のやつ？あずも行きたいって言ってたわよね？」



あ「うん！おっきい花火見たい！」



優「そうね。私達も多分行くわー。会えるといいわね。」



『はい！』




すると、優子さんがニヤニヤしながら私に聞いてきた。




優「その友達って、イケメン？」



『そ、それはもう、・・・すごくかっこいいです。』



優「へぇー、あんたのお父さんよりも？」




・・・まあ確かにお父さんもイケメンなのだけれど・・。




『私的には・・・白布くんです。』



優「ふぅ〜ん？臣くんより？やるなあ。ていうか白布くんっていうんだ。」




あっ・・・名前言っちゃった。




『っ、はい。』

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