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ym side
あれから何日かが経って、やっと体調も戻りつつあった今日。
校内をずっと探し回るけど一向に見つからない有岡さん。
「…講義一緒だと思ったんだけどな……」
諦めかけて、講堂のドアを開けるとそこには信じがたい光景が広がっていた。
床に押し付けられ、気を失う女の子とその上に跨る男。
「え、ちょ…っ！何してるんですか！？」
駆け寄って男を突き放すと前髪で隠れていた顔が見えた。
「…有岡さん？」
『へーぇ、自分から出向いてくれるなんていい度胸してんね？』
その言葉を理解するときには、俺も床に倒れていた。
じんじんと痛む背中を感じて、うっすらと前を見た。
「……っ、え？」
そこにあったものは、真っ赤な瞳に獣の様に鋭い牙。
口の端にはまだ乾いていない血がついていた。
すると、牙をのぞかせて舌なめずり。
『俺さ、今腹減ってんの。血、貰うね？』
そう言って近づいてくる口を咄嗟に拒否した。
「やっ、やめろっ…！」
力一杯押し返すけどすぐに手首を掴まれて意味のないものになった。
『せっかく人が優しく言ってやったのに…痛くされたいんだね？』
軽々と拘束された手首は上で床に縫い付けられて、上からのしかかるこいつに対抗できなくなった。
嫌だ、と首を振り続けるけど片手で押さえ込まれて。
『…大人しくしてろ』
低く、全身が凍る様な声で囁かれるともう動けない。
そのまま首筋に寄せられる口を黙って見ているしかなかった。
チク、と当てられる歯に奥歯を噛み締めて。
皮膚が貫かれると、出したくもない声が出る。
「ひっ、……ぁ、はっ、…ぅ」
はくはくと息を吸い込んで送るけど全く追いつかない呼吸。
じゅっ、と吸われる感覚に頭がおかしくなる。
痛くて、きもちくて。
抗えないその感覚がもどかしくて。
虚ろになっていく意識を必死で繋いだ。
『んっ、……はぁ』
熱い舌で貫かれた肌を舐められると、不思議と消える痛み。
短く、長い時間が終わって歯が抜かれると瞳は黒くなり、牙は無くなっていた。
『……ご馳走様』
それだけ呟くと、俺の上からどいて気を失った女を担いで行った。
聞きたいことはたくさんあったけど、俺はそこで眠りに落ちた。
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ぶたのすけ(プロフ) - 花奏さん» ありがとうございます！私も言われて始めて気づきました.........！至らぬ点もあると思いますが、これからもよろしくお願い致します！ (2020年2月3日 22時) (
レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
花奏(プロフ) - 赤星おめでとうございます！これからも応援させていただきます！ (2020年2月3日 20時) (レス) id: ed1d1a00c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたのすけ(プロフ) - かぷなさん» はじめまして！凄く嬉しいです、本当にありがとうございます！ (2020年1月22日 7時) (レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かぷな - はじめまして！有岡くんのキャラ、今まで読んだ小説の中で一番好きでした。すごく文章構成も上手で尊敬してます！これからも頑張ってください！ (2020年1月22日 6時) (レス) id: 5f37aa5d10 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたのすけ(プロフ) - 花奏さん» 花奏様、コメントありがとうございます！そう言っていただけて何よりです！応援本当にありがとうございます。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶたのすけ | 作成日時：2019年12月18日 19時
