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「葛原、もうオレにお前は」
全て終わった。葛原は1歩も動かずそれから何も言葉を発さなかった。泣かれるよりはよかった。葛原に目の前で泣かれてしまえばなんだかんだいつも流されやすいオレは簡単に揺らいでしまうと思ったからだ。逃げるように、葛原に背を向けて家を出てすぐ車を出した。
「クソｯ…!!」
耐えきれず、一筋だけ涙を零して心の中で、恨み言のように葛原に謝り続けた。答えはもちろん返ってこないと分かっているのに。
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「A貸してくんねココ〜、って、いねーじゃん珍しい」
蘭がノックもせずにオレの部屋に入ってきて、1番に出てきた名前は葛原のことだった。蘭が珍しい、と思うのも当然だ。葛原はいつでもオレの傍にいて、それもオレが離れさせなかったからだ。
聞きたくない名前を聞いて、蘭に背を向ける。しかし、蘭は出てくでもなく葛原がいつも座っていたソファに座り机にがん、と長い脚を乗せる。
「いないんだから用はないだろ。さっさと出てけ」
「とうとう捨てたか」
「は？」
「わっかりやす、お前。顔に出過ぎなんだよココちゃん♡」
代わり探すか〜、と言って嵐のようにたった二言でオレを動揺させて部屋から出ていった。気にしてはいられない、とコーヒーを飲むかと考えてオレはいつもの調子で葛原に頼もうとアイツが座っていたソファに視線を向けて、ハッとして拳を机に叩き付けた。
「さっさと忘れろ…」
頭痛を抑えるようにこめかみを押して、立ち上がり自分でコーヒーを淹れに行った。手放しておいて自分自身が一番ダメージに苦しんでるな、と自分に嘲笑した。傍に置きすぎたな、すぐ葛原のことが気になってしまう。
そのたびに、きっと沢山泣かせただろうな、と考えてしまって、連絡を入れたくなる。
オレに関わるな、と言っておいて決心がそもそもついていないのはオレだったんだ。
「…A、」
一度ぐらいは名前を呼んでやりたかった。苦くて仕方ないコーヒーを一気に飲み干して進みの悪い仕事を再開した。
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m(プロフ) - 初コメント失礼します。本当に素晴らしいお話でした。完結前に出会えなかったことは悔しいですが、本当に大好きな作品になりました。人間的なストーリーで心が引き込まれ、感動しました。この作品を作っていただき、残していただき、本当にありがとうございます。 (2023年2月19日 12時) (
レス) @page33 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い - 思わず涙がこぼれてしまいました、、、。切ないしもうなんかよかったです。私もテストヤバイ、、、、、 (2021年11月30日 1時) (レス) @page33 id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - セツナさん» 読んでくださる方々のおかげで無事完結出来ました🥰感動していただけたんですか…めちゃくちゃ嬉しいです🥺❣️こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました❕ (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - 楸さん» あええ大好きなんて悶えます…🤦♀️私もちょっと寂しいなって思ったりしているのでまたココくんの作品書きたいと思ってます❣️頑張ります！！最後まで読んでくれてありがとうございました🤍 (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - アオさん» 完結までお付き合い頂きありがとうございました！！バンドエンドもいかがだったでしょうか…😌喜んでいただけていたら嬉しいです！ (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチンカスヱ x他1人 | 作成日時：2021年11月12日 0時
