Ep.15-4 ページ32
Side.you
なんと目黒くんが連れてきてくれたのは、動物園と同じくらい大好きな水族館。
車でされたキスは驚いたけど、実はすごく嬉しかった。
あまり人のいない館内を順番に回っていく。
私の食いつく魚を逐一笑う目黒くんを見て幸せだなと感じる。
一番多きい水槽の前に来て、マンタが優雅に泳ぐのに見惚れる。
すると目黒くんがスッと私の手を握ってきた。
『ダメだよ。誰かに見られたら、また迷惑かけちゃう』
振り解こうと軽く手を引くけどガッチリ握られていて、離れない。
「今だけ、こうさせて。１分だけ」
水槽をまっすぐ見ながら言う目黒くん。
何も言えなくなっちゃって私も水槽の方を向く。
手から彼に暖かさが伝わってきて離れたくなくなってしまう。
スッと温もりが消えたので、彼の方を見る。
「今、何でって顔した。」
『何でって顔したもん』
少し何かを我慢した顔をした目黒くんは、「あっち見よ」と歩いて行ってしまう。
彼の少し後ろを歩く。
夜の水族館の静かさと、暗い照明が妙に落ち着く。
水槽を覗き込む横顔が綺麗で、魚を見るのを忘れてしまう。
「ん？」
急に私の方に顔を向けるから驚いてしまう。
バケットハットとから覗く目が優しくて言葉が出ない。
『何でもないよ。今日はマスクしなくて良いの？』
「今はあまり人もいないし、平気だよ。一緒に写真撮ろうよ」
『写真！撮りたい』
インカメで2人を写す目黒くん。
何枚か写真を撮り、確認をする。
『私のスマホでも良い？』
「うん、もっと近く寄って良い？」
そう言われたので、
グッと顔を近づけ頬を彼の頬につける。
少し驚いた顔をした瞬間に連続でシャッターを押す。
「ちょっと！もう一回撮ろうよ」
あわあわする目黒くんが可愛くて、
何度も写真を撮ってしまう。
「ねえ、それ消してよ」
『やだ、こんな可愛い目黒くん消さないよ』
スマホをポケットにしまい、次の水槽に行こうとする。
その瞬間私の手を握り先を歩き始める。
『目黒くん、手』
くるっと私の方を向き目を真っ直ぐ見つめてから目黒くん。
「俺決めたから。ここで何があっても、絶対にAちゃんのこと守る。ネットで何言われても、俺はAちゃんの事好きだし、もちろんアイドルも辞めない。どっちも俺にとって大切だから」
真っ直ぐな言葉に、言葉より涙が先に出てくる。
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Emma(プロフ) - りんごさん» りんごさま、ありがとうございます！修正いたしました！今後もよろしくお願いします。 (2023年2月9日 12時) (
レス) id: ca41fbeb41 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ，フラ立ってますよ！！ (2023年2月9日 7時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Emma | 作成日時：2023年2月8日 19時
