PARACAGE 5th【ars】 (ページ17)

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157.人生ゲーム。ページ17

「潤くんは、もしや女嫌いなの？」
「好き」
「即答」

こんだけ美青年でお料理も上手くてオシャレで仕事も出来て、性格はまぁ...ちょっとSっ気キツめだけどそういう人が好きな女子は多いのに彼女が居ないってのは、女嫌いなのかと思ったけど。

「じゃあ、理想が高いんだ。チョモランマだ」
「んー、それは違うとも言い切れない」
「やっぱり！」

こんな人の彼女になるには、やっぱり同じくらいのスペックを持ってる女性じゃなきゃいけないんだな。
理想高くても許せる、潤くんなら。
何言ってんだ！ってならない。
ですよねー！ってなる。

「ほら、残りの野菜は俺が切って持ってくからAはもう戻っといて」
「ごめんねぇ」
「はいはい」

手の甲でシッシってされた。
でも潤くん笑ってるから怖くない。
野菜を切ってる潤くんの広い背中を見て、キッチンを出る。

手ぶらで縁側に戻ったら、ニノくんに「野菜は？」って訊かれた。

「潤くんが持って来てくれるって」
「Aが切ってたんじゃないの？」
「そうなんだけど...」

誤魔化そうと思ってアハーって愛想笑い。

「はい、お待たせー」

良いタイミングで潤くんが帰って来てくれて、私が指を切った事はバレずに済んだ。
智くんも言わずに居てくれたみたい。

私達は、お腹いっぱいになるまでバーベキューを食べて、お酒を飲んで。
ゴキゲンになったみんなで、リビングで人生ゲームなんかして。
今日も朝早かった翔さんが気付くと珍しくラグの上で俯せになって寝てしまってて、ジャンケンで負けた潤くんが寝てる翔さんをお姫様抱っこして部屋まで運んだ。

あれ、私...米俵みたいに担がれなかったっけ。
どうして翔さんはお姫様なの。

「どうして！」

戻って来た潤くんに言うと、凄い不可解そうな顔で「何がだよ！」って言い返された。
そりゃそうだ。

その内、智くんもソファで寝始めて。
ニノくんも「眠ーい...」ってアクビを繰り返すそうになって。

タレントになった雅紀くんが荒稼ぎをして一位上がりをしたトコで、人生ゲームはおしまい。

片付けは日曜休み(一人は休みと言うよりいつも在宅してるんだけど)組の三人が、明日しとくって言ってくれたから、お言葉に甘えて今日はお開きになった。

お風呂に入って、部屋に戻ると、すぐ眠れると思ってたのになかなか寝付けない。
楽しかったからまだ気持ちが高揚してるのかもしれない。

指先の絆創膏には、まだ赤い染み。