見てて。【牛島若利】番外編

紙と封筒 ページ8

　
私は窓から外を見た。



父はいなかった。きっと車の中で涙を堪えているんだろう。
　


　
　
　
　
私は少しだけ部屋にあるものを見てみることにした。
　
　
　
　
　
　
　
　
綺麗に洗われたマグカップ。


整理されたクローゼット。


ぴっしり詰まった本棚。


5種類しか入っていないシューズクローク。


食器だって全然置いていない。





　
　
本当にものの数が少ない。
　
　
　
　

　
　
　
　
私は引き出しを開けた。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
すると、一回折り畳まれた紙と、封筒が出てきた。
　
　
　
　
　

　
　


『…なんだろ、これ』
　
　

　
　
　
　
　
　

私は紙と封筒を手に取った。
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
綺麗に保存されている。
　
　

　

けど、紙は色褪せていて、ずいぶん昔のものだと言うことがわかる。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
私はゆっくりと紙を開いた。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　


　
　
　
　
　

　
　
　
　
その瞬間、ドクンと心臓が大きな音を立てた。
　
　

　
　
　
　

　
　
　



　
　
　
　
唇がブルブル震えて、目が自然と見開いた。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　


　
紙は、青色のクレヨンで塗りたくられていた。
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
私の記憶が、フラッシュバックした。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

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