【名探偵コナン】わたしの光【安室透】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:158,097 hit

４話ページ5

「おはよー」

次の日の朝、私は欠伸をしながら教室へと入っていた。
今日も今日とて学校。実に面倒くさい。

そんな風に考えていると、私の姿を見つけた三人が駆け寄ってくる。

「おはよう！」

元気に挨拶を返してくれるこの子は毛利蘭。
空手部に所属しており、私にとってはとても心強い存在。

「Aおはよう、相変わらず眠そうね」

苦笑いしながらそう言うこの子は鈴木園子。
お嬢様なのにそれを感じさせず、何より友達思いなサバサバ系女子。

「Aくんおはよう！」

八重歯の可愛いこの子は世良真純。
ボーイッシュで一見男に見えてしまう現役女子高生探偵。

「昨日は夜遅くまで本を読んじゃって…これはどうしようもない」

あの後、家に帰っても何もすることのなかった私はひたすら本を読んでいた。
読みたいと思っていたもののなんだかんだあって読めていなかったものだった。

「Aもよく読めるわね」

活字が沢山並んだ本を読むのが苦手な園子。
そんな彼女に苦笑いをいただいたのはあの＂シャーロック・ホームズ＂

ある人の影響で知って以来すっかり彼の虜になった私。

時間のない日も多いためスローペースだが
思考を巡らす時間が好きなので気にせずに読んでいるのである。

「面白いよ？色んなところに伏線があってね。実際にそこにいるよりも状況を把握しやすいはずの読み手側に立っても、それを読み取って真相に辿り着くということは本当に難しいの。だから本当に彼は凄いなって改めて感じさせられるし__ 」

「ちょいタンマ！」

彼の魅力について自覚があるほど目をキラキラさせながら語っていたところ、園子が焦って私の言葉を遮った。
長くなると思ったんだろう、正解だ。

「本当あんたも好きね。蘭の旦那の影響で」

園子はどうやら人をからかうのが好きらしい。
ターゲットを蘭へと移した様子。

ニヤケながら私から視線を外すと、そこには顔を真っ赤にした蘭が。

「旦那じゃないって言ってるでしょ！」

蘭は必死で否定しているが真っ赤な顔をしている時点で説得力はないに等しかった。