Prince of Vampire 10

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今日は久々に、3人でお出掛けの日。






顕嵐の運転で郊外のショッピングモールへと向かう。




中に入り、手を繋ごうとしても、パッと離す斗愛。




テクテク、と小さな小走りで進んでくから、




恥ずかしがりになったのかな？




なんて後ろから見ていた。








「ほら、斗愛が繋がないから、代わりにパパがママと手繋いじゃうぞ」






そんな顕嵐のセリフにも動じない。




一度止まったかと思えば、再び無言で走り出してしまった。








だけど。それは"反抗期"とは全く違った。




斗愛は、限りなく良い子になった。


ワガママ言わなくなったし、お願いしたことは訊いてくれるようになった。








「斗愛がね、最近良い子なの」




キッズコーナーの遊具で遊ばせながら、すぐ後ろから見守る。





「確かに。俺もそう思う」






「顕嵐が色々言ってくれたおかげだよ。ありがとう」




「ううん、Aのおかげだよ」




その笑顔が愛しい。




「顕嵐と結婚して良かった」




「え？」




「斗愛が産まれたし、幸せだし」




「A…」






握る手が、ギュッと強くなる。




この幸せが続きますように。








そう願ったのは、きっと顕嵐も同じ。




そう思わせるくらいに、顕嵐は優しい表情をしてくれていた。

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