Prince of Vampire 10

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……








「こんなこと言ったら顕嵐に失礼かも知れないけど、ちゃかちゃんがパパみたいだよね」






「え？」






「抱っこしてる姿、様になってるし、何かあっても、普段の熱量で守ってくれそう」






如恵留くんはニコニコ、俺を見つめる。








「…そうかな？


まあ、確かに預かっている以上、何もないように、気は遣うけど」








…子育てとか父親とか、全然意識したことないから、そんなこと言われて結構戸惑う。








「おぎゃあぁぁぁ」






「あ、ミルク。ちゃかちゃん用意して」






「うん、」




Aから先月もらったメモを開いて、作り方を見ながらお湯を入れる。


今日までミルクを作るのは俺の仕事としてやっきたけど、いつまで経っても慣れない。








「…あ、やっぱり今日もあんま飲まないね。普段母乳の方が多いもんね」






「如恵留くん母乳出ないの？」






「出るかな？(笑)」




ニコニコと、俺のバカみたいな冗談も許してくれる、そんな如恵留くんはやっぱり良いパパ、改め良いママだ。






「…顕嵐から名前聞いた時どう思った？」




寝静まった斗愛を抱っこしながら如恵留くんが聞く。






「名前？」




「うん。斗愛って名前、半分はちゃかちゃんの名前が入ってんじゃん」




「……」






「…どう？」






「………ん？」






「ん？って(笑)」






「……だって、それ、今気付いたんだけど」






「まじで？(笑)」






如恵留くんは涙目になりそうな優しい顔で笑っているけど、本当に俺は、今の今まで意識してなくて。






「偶然、だよね？」




「偶然、かもよ？」




「……」






「でも、偶然じゃないと俺は思う」






如恵留くんはそのまま俺の目を見つめながら話し続けてくれた。

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