P.M.10:00 [ JK ]

20.奇跡は突然に ページ20

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『 最近この歌聴いて、いつもほっとしてから寝てるんです。』

「 どれ？ 」




僕たちが会うとお決まりになった片耳イヤフォン。

Aちゃんのこと、もっと知りたいんだけど…

でも、いつかゆっくり聞ければいいか！





「 …これ、 」

『 優しい歌声ですよね。 』





Aちゃんがジミニヒョンの推しになりつつあることに

もう半分開き直っていた僕は、

てっきりヒョンのソロが流れてくるものだとばっかり思っていた。





『 ジョングク、っていう人でしょ？ 』

わたし、調べたんですよ！





得意げなAちゃんが勧めてきたのは

間違いなく僕の Euphoria だった。



Aちゃんが僕の名前を言う日が来るなんて！

にやけてしまう顔を必死に誤魔化しながら

今日は電灯が壊れていて良かった、ありがとう、電灯

なんて思ったり。





『 ジミンさんの声も好きだけど、ジョングクさんの歌声は安心できます。そう思いませんか？ 』

「 ありがとう。 」

『 え？ 』

「 あ…、いや、僕が好きなグループをここまで聴いてくれて。 」

『 どうしたんですか、急に(笑) 』






僕がジョングクだよ。

そう伝えたら、大きな瞳をさらに大きくしてびっくりするのかな。




" You are the cause of my euphoria "

僕の幸せは君なんだ。

そう伝えることができたら、君はどんな顔をするだろう。





" 何のために歌うの？ "


ヒョン、わかった気がするよ。

アミたちのため。

それでいいんだ。

自分が大好きな歌うことが

自分が大好きな踊ることが

こうして伝えられてることに、Aちゃんのおかげで気付けたから。




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