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岩本side.
ヒュ、 と 思わず喉が鳴る。
想像を絶する数の、
こいつが独りで苦しんだ証拠は、
上腕にはもう切る場所がなくなったのか、
最近の傷は腹部にすら広がっていて。
深「 … まじ、か。」
“ なんでそんなに無理をしたんだ。 ”
“ どうして俺たちを頼らない。”
“ 撮影中に、爆発するくらい、
溜め込むなんて馬鹿なのか。”
さっきまで、彼を責めようと、
言おうと思っていた怒りの言葉は、
喉の奥につっかえて消えてしまって。
代わりに気づいてやれなかった
自分の無力さを恨んだ。
彼を見ている気になっていた。
声を掛けないで見守ろうなんて、
彼をわかった気になって、
彼のためを思った気になっていた。
全て自己満足のエゴでしかなかった。
なにも、わかってあげられてなんていなかった。
目の奥がツンとしてきて、
必死に瞬きをする。
佐久間の腕を掴む阿部は号泣していて、
阿「ごめん、…。」
佐「へへへ、なんで謝るの
みんなは何も悪くないよ。
だめな人間で、ごめんなさい。」
最近よく見るようになった
佐久間の笑顔を取って張りつけたような顔は
あまりにも儚くて、
触れたら壊れてしまいそうで、
誰も口を開くことが出来なかった。
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みるく(プロフ) - 一気見させていただきました。とてもとても心に残りました。繊細な文章でとても苦しく…。また次回作も楽しみにしています。 (2021年3月5日 18時) (レス) id: 9c51ec73fc (このIDを非表示/違反報告)
真奈美(プロフ) - いい作品を書いてくださりありがとうございました。次回作も待ってます。 (2021年3月5日 13時) (レス) id: 0334695bad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昴 | 作成日時:2021年2月28日 23時