・ ページ13
・
“ 次無理したら、あいつらにもマネにも
全部報告するから。独りで耐えてないで言え。”
さっきそう約束したばかりで。
オーバードーズなんて、もしもバレたら。
しかも、もう隠し事はしないと
約束を取り付けられた僅か2時間後に。
終わった。完全に。
翔太が今寝ぼけていただけで 朝には記憶がない
あるいはそれか、
気を遣って誰にも話さない ことを
俺はただ願うしかなかった。
焦る気持ちを抑えて、
とりあえず今俺が考えても
未来の翔太の行動が変わるわけじゃないんだし。
まずは、明日の朝 照に隈を指さされないように
睡眠をとることが最善策だと、
薬を水で流し込んだ。
布団に横になると、
さっきはどう足掻いても鮮明だった意識に
ぼーっと靄がかかってくる。
翔太が、どうか誰にも言いませんように。
特に、照には。絶対に。
お願いします。どうか。どうか 。
そのうち思考回路も白く濁ってきて、
何も考えられなくなって、
そのまま俺は、
眠りの世界へと足を踏み入れた。
夢の中の俺はかっこよかった。
傷もない割れた腹筋を、
ファンサービスとして
服を捲って見せつける。
ファンの子が黄色い歓声をあげて、
アドレナリンが放出される感覚。
家に帰れば、録画していたアニメを見て、
宮田くんと電話で盛り上がっちゃったりして。
あれ、俺の最高の日常って、
いつのまに、今ではもう考えられないほど、
どこか遠くへ行ってしまったのだろう。
毎日その生活を過ごしていれば、
当たり前だと思ってしまっていたけれど。
めちゃくちゃ素敵な人生だったんだなって、
涙が流れてきた。
幸せな 夢だった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるく(プロフ) - 一気見させていただきました。とてもとても心に残りました。繊細な文章でとても苦しく…。また次回作も楽しみにしています。 (2021年3月5日 18時) (
レス) id: 9c51ec73fc (このIDを非表示/違反報告)
真奈美(プロフ) - いい作品を書いてくださりありがとうございました。次回作も待ってます。 (2021年3月5日 13時) (レス) id: 0334695bad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：昴 | 作成日時：2021年2月28日 23時
