その場しのぎで生きてます

三十 ページ31

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「昨日の事は覚えているか？」

『ハイ…オボエテマス…
　キゼツシタアトハワカリマセンガ』


うっ忌々(いまいま)しい記憶を思い出したせいで
言葉がカタコトに…！！


「無理もないな！八鎖少女が気絶した後、
　とりあえず部屋に運び入れたはいいが…
　無性に心配でな！」

「私も心配で…なので、姉上に何かあった時
　すぐに助けられるように傍に居ようと…」


なるほどね…私を心配して…か

この兄弟…
なんて優しい心の持ち主なのっ！！(号泣)


「それにしても、
　昨日はどうして気絶したんだ？
　動いた時に頭でもぶつけたか？」


煉獄さん…

あなたが結婚ネタを使ってきた時から私も
あぁ、この人どこかで頭ぶつけたんだな
って思ってましたよ


『ぶつけてはないですね。

　……正直に言うと…まぁ…私…
　男の人との接触があまり無くて…その…』

「(あぁ兄上…千寿郎は察しました…
　 気絶の原因はほぼ兄上ですね…)」

『それでその…昨日煉獄さんに捕まった時は
　色々密着が…もう本当に…爆発しそうで…』


もちろん比喩じゃない

身体中の血が滾(たぎ)って
噴火しているかのようだった

それで頭に血が上りすぎて
意識無くなったけどね


「そうだったか！すまん！今後は控える！」

『そうしてもらえると本っっ当に
　ありがたいですね…』

「しかし結婚するとなると
　多少は慣れておいた方が良いと思うが」

「(さっきの話を聞いても
　 まだ続けるんですね…兄上…)」

『それもやめてくださいね言葉の暴力です
　あとなんでそんなに結婚ネタに
　固執するんですか？？』

「八鎖少女の慌てる姿が面白くてな！！
　すっかり癖になってしまった！」

『ハァ…煉獄さんにはそのうち
　結婚にまつわるバチが当たりますよ…』


いや、絶対当たってくれ

罰当たりの神様、この人に罰を…！！

特に結婚関係の罰を与えて下さい…！！


「はっはっは！それは怖いな！！！」


あ〜この人懲りてないな

絶対やめる気ないよねそれ？？


『千寿郎君。君のお兄さんは立派な人だけど
　ああいう冗談言うところだけは
　見習っちゃダメだからね？？？』

「わかりました！姉上！」

『ん〜君も頑固だねぇ！
　でもわかったなら良し！』


さっきは流してたけど君しれっと
姉上呼びしてたもんね

そこまで染み付いちゃったんだね

私はもう諦めます…好きに呼んで下さい…

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