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23話 ページ25

「いった・・・」

鋭い痛みに襲われ思わず飛び起きる。
隣には何故かイヌピーがいた。

「起きたか。応急処置はした」

周りを見渡す、知らない場所。知らない風景。

「ここどこ?」
「俺達のアジトだ」
「リリサは?」
「死んだ」

イヌピーは淡々と答えるだけ。
その目は虚ろだ。

「私、帰らなきゃだから」

これ以上ここにいるのは危険だ。
身の危険を感じベットから降りようとすると腕を掴まれた。

「ダメだ。お前はもう帰れない」
「どういうこと?」
「俺達は東京卍會の幹部だ。イザナの命令でお前を拉致れと言われた。だから帰すわけにはいかない」
「イザナ?誰?」
「そのうち分かる」

私の疑問には全く答えようとしないイヌピー。
その瞬間、ぎゅっと抱きしめられた。

「ありさのことは俺が必ず守る。何不自由な生活はさせない。だから俺のそばにずっといてくれ。」

「無理だよ、私にだって生活がある。私のことを思うならここから早く出して」

「その願いだけは聞けない」

私を抱きしめる力が益々強くなる。
つまり私は犯罪組織に拉致られ命を握られているわけだ。
そう思うと一気に不安で胸がいっぱいになった。

「俺は今から仕事に行ってくる。くれぐれも変な真似だけはするなよ」


イヌピーは私の頬を撫でると部屋の外へと行ってしまった。慌てて後を追ったがガチャリと大きな音がして部屋の鍵が閉まった。

閉じ込められた、この小さな部屋に。
どうしよう、窓を見るが鉄格子が付いていて外に出られない。
私は深く絶望した。

ドクン
少しむせかえるようなあの感覚がまた私に訪れる。
気付けば現代から過去へと戻っていた。
しかし拉致られた、その未来は変わらない。
次花垣が現代へと戻った時私は一体どうなっているんだろう。考えただけで身の毛もよだつ。

「ありささん、濡れますよ」

一人考え事をしていたせいか雨が降っていることに全然気付かなかった。傘を差し出してくれたのはまつ毛が長く中性的な男。三途春千夜。
あまり話したことはないけれど彼も東卍の一員だ。

「ありがとう。三途は何でここに?」
「雨の中ぼーっと立ってるありささんを見かけたのでつい声をかけちゃいました」

彼はにこりと微笑む。

「家まで送って行きますよ」
「いいよ、すぐそこだし」
「女性を夜一人で歩かせるわけにはいきませんから」
「じゃあお願いしようかな」

そう言って私達は歩き出した。

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作者名:なんじゃもんじゃ | 作成日時:2025年12月4日 0時

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