1話 ページ3
みんみんみんと蝉が大合唱を奏でる頃。
「武蔵、今日また集会あんだけど」
「それで?」
「・・・いや、やっぱなんでもねー」
放課後、私は隣の席の三ツ谷隆という男に話しかけられていた。
三ツ谷は気まずそうに眉をぽりぽりと掻く。
続く沈黙、だが私はそれでいいとさえ思っていた。
「タカちゃーん!部活行こ!あ、お姉ちゃん!今日部活だから先帰ってて良いよー!」
そんな沈黙を破ったのは私の双子の妹、リリサだった。
教室の扉の前で三ツ谷が来るのをまだかまだかと身を捩らせて待っている。
「じゃ、むさまたな」
「うん」
私は三ツ谷とそれだけを交わすと席をたった。
三ツ谷と仲睦まじく並んで部活に向かうリリサに目をやる。
武蔵リリサ、私の双子の妹。
可愛らしくて、ちょっと周りに流されやすいそんな子。
うちの家でよく集会をする東京卍會と仲が良く、その中でも同じ学校の三ツ谷とは特に仲が良い。
比べて私は大の不良嫌い。大きなバイクの排気音も年に似合わないタトゥーも苦手だ。なのに三ツ谷やらマイキーやら色んな奴らが昔から絡んでくる。それに正直うんざりしていた。
出会いは12歳の頃、神社の境内を占領していた不良集団の長の頭を熊手で殴ったのが全ての始まりだった。
殴った理由は他の参拝客の邪魔になっていたから。
だがその不良集団こそ、今の東京卍會でありその長がマイキー張本人だったのだ。
今思えばあそこで殴らず見過ごしておけばよかったと後悔している。あれから私は何故か彼らにおもしれー女認定をされてしまい絡まれることが増えた。
私が絡まれるということは必然的に妹のリリサも絡まれるということになる。
絡まれると苦虫を潰すような顔をする私とは対照的にリリサはマイキー達と意気投合しよく集会にも顔を出している。
私としてはあまり関わってほしく無い。
「今日も集会か・・・」
私は小さくため息をついた。
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作者名:なんじゃもんじゃ | 作成日時:2025年12月4日 0時


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