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ゝ・肆 ページ19

凄まじいね、と悟は言った。私はしゃがみこんで悟を見上げながら、それを無言で肯定した。悟の六眼はきっと私よりも鮮明に、その全容を理解しているのだろう。


──特級過呪怨霊「祈本里香」完全顕現を観測。本日の(悟の)報告書の為に、私はそうさらさらとメモにペンを走らせた。


「女は怖いねぇ」


くつくつと笑う悟。真希たちが小学校に入って……大体どのくらいかな、30分とかかな?40分を越したら見に行ってみるかな、などと考えて、私は午後ティーのペットボトルを傾ける。


ちなみにこれは悟が買ってくれた。つくづくこいつは私に対してゲロ甘いのだ。


「……さて、そろそろ出てくるかな。A、お出迎えしてあげよう」
「うん。車に全員乗れるかな?」
「うち二人子供だし、まあ大丈夫でしょ」


私はよいしょと立ち上がり、校門に向かって歩き出す。怪我して帰ってくるとしたら、反転術式で治してやらないといけない。硝子ほど凄くないけど私も応急処置レベルならできる。


「乗れなかったら最悪、僕とAはどうとでもなるしね」
「まあねえ」


……帳が上がる。その向こうから、真希と子供二人を抱えた憂太が現れた。ふらついた憂太を咄嗟に受け止める。ウオワッ重ッ!


とりあえず真希を回収して傷を癒し、次は子供二人を治して車に詰める。憂太はパッと見外傷が無かったので放置の方向で行く。


「おかえり、頑張ったね」


地面に倒れ込んでぜえぜえと息をする憂太に、悟のが労いの言葉をかけた。返事も出来ないらしい。本当に頑張ってくれたんだな、と思う。


……こりゃしばらく休憩させた方がいいかな?急を要する三人は車に詰めたし、と私は補助監督の人にことづけて、先に病院に向かってもらうことにした。


他の車を呼べばいいし、最悪悟の術式で何とかなるだろう。


車を見送ったあと自販機に走って水を買い、私は憂太にそれを押し付けた。


「はい、お疲れ。休憩しよっか」
「ぜえ、はあ……っ、あ、ありがとう……」


憂太は息も絶え絶えにそれを受け取って、早々に飲み干した。

ゝ・伍→←ゝ・参



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(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱるさん | 作者ホームページ:なしv  
作成日時:2021年2月26日 20時

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