ゝ・陸 ページ15
「おい。お前、呪われてるぞ。ここは呪いを学ぶ場だ。呪われてる奴が来る所じゃねーよ」
……とは、言うけど、うん。
「……悟さあ、ここの概要とか呪いの詳細とか、もしかして言わずに連れてきたんじゃない?」
「よく分かったね、流石僕のA♡」
「うーん断じて悟のではない」
まあ悟のこういう系の冗談はよくあるので別にもう気にしないでいこう。
私は溜息を着いて、乙骨パイセンの方に歩み寄る。刹那、ずるりと彼の背後から現れる巨躯。
待って、と焦る乙骨パイセンを後目に、私はその大きな掌に触れた。
「はーい、ストップ〜」
ここ数年で無言でもいくつかの術式が使えるようになった。『据』や『齋穿』、『韋駄天』なんかがその例だ。テンション上げたくて口に出す時もあるけどね。
そして今回は『据』を使った。里香の腕は忽ち黒い柵に捕われ、床に縫い付けられる。
「悟、説明は事前にしろって前からずっと言ってるよね?」
「いや〜ごめんごめん。すっかり忘れてた」
君が説明忘れてたせいで真希たち怪我するとこだったんだけどね。硝子が仕事増やすなってキレるぞ。
「日本国内での怪死者・行方不明者は年平均一万人を超える。その殆どが、人から抜け出した負の感情“呪い”の被害だ。中には呪詛師による悪質な事案もある。
呪いに対抗できるのは同じ呪いだけ。ここは呪いを祓うために呪いを学ぶ、都立呪術高等専門学校だ」
さーて、悟が説明してる間に里香ちゃんの味見しよ〜!(スナック感覚)
私はルンルンで床に縫い付けられてジタバタしている里香ちゃんの手に触れた。
ウオワッ……美味……悟といい勝負行くなこれは……
悟は高級ホテルの三ツ星スイーツだったけど、こっちはなんか老舗和菓子屋のクソ高い練り切りって感じのお味がする……
しみじみと味わっていると、呪力を食べられるのが嫌だったのか里香ちゃんが消えてしまった。あー、まだちょっとしか食べてないのに〜。
「てな感じで、彼のことがだーい好きな里香ちゃんに呪われてる乙骨憂太君でーす!皆よろしくー!」
あっ里香ちゃん食ってたら説明が終わってた。
「憂太に攻撃すると里香ちゃんの呪いが発動したりしなかったり。まあAがいりゃ今みたいに何とかしてくれるけど、何にせよ皆気をつけてねー!」
ノリの軽い悟に早く言えやとでも言いたげな皆の視線が浴びせられる。どうせ本人には欠片も響いていないのでほぼ無意味だろう。
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雛(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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