ゝ・参 ページ47
「てか悟何しに来たの?野次?」
「僕をなんだと思ってるの?挨拶回りだよ、挨拶回り」
「なんの?」
私がきょとんと首を傾げると、悟はちょっと笑って私を降ろし、一歩体を横にずらす。その後ろにいた人を、私は知っていた。
「ア゚!!」
私は奇声を上げて雄くんの後ろに隠れた。
いやいや待て待てせめてアポを取れ!いや悟相手にそれは無理だ。
それでも、それでも待って欲しい。その金糸の髪、シアンの美しい切れ長の瞳、すらりと伸びた手足。待て。その姿は私に効く。
「……本当に変わっていませんね、アナタは」
ア゙ア゙声も効く!!!!
私が必死で留めるのも意に介さず、雄くんは「七海!」と嬉しげな声を上げて彼の方へと寄っていってしまった。盾ェ!どっか行くんじゃない!仕方がないので悟の後ろに隠れる。
「七海、戻ってきたのか!」
「灰原……お前も変わらないな」
「七海は随分痩せたね」
ヴグアアそうだよそうだ私が見たかったのはこういう仲良しで幸せな同期組……ありがとう世界ありがとう燕今度墓参り行って拝み倒すからね。
私が涙目になりながら天に向かい手を合わせていると、またもや悟に首根っこを引っ掴まれて前に突き出された。
だから私は猫じゃなアアーーーーッッ(推しを直視して目が焼けたオタクの断末魔)
「……本当に痩せたね建人ォ……」
「サラリーマン、思ってた以上にクソでして。アナタは変わらず私の顔が好きな様ですね」
「認知されてるな!?誰だ情報リークしたの!?」
「僕」
「コロォス!!!」
私が渾身の殺意を込め、身を捻って繰り出したパンチはひらりと躱されてしまった。クソッ!!!こいつ年々回避の確率上げてきやがる!!
「あははA怖〜い!何キレてんの?」
「キレるわ!推しは推せる時に本人にバレないように推すのが鉄則なんだよ!」
「なんか僕が知ってるのと違うな」
そらナマモノと画面の向こうは勝手が違いますよ。
「アナタも随分痩せたように見えますが……理由は明白だな」
殺意を向け威嚇する猫の如く(さっきまで散々猫じゃないと言っちゃいたが)悟を睨みつける私に、随分ひんやりした声で建人がそんなことを言ったので私はぴしりと固まった。
ぎしぎしと軋んだ動きで彼を見れば氷点下の瞳。アッ、終わった。
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです,,,好みドストライクです!これからも応援しております。後,伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます!燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです! (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった(?)夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜!!!更新頑張ります!! (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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