時差ボケで頭が重いオタク ページ22
フランスでの日々は目まぐるしく、また刹那のうちに過ぎた。モンサンミッシェル、凱旋門、エッフェル塔。めぼしい観光地を巡りショッピング(龍水持ち)やらディナー(龍水持ち)やらに享楽していたらもう帰国の日になっていた。
えっもう？光陰矢の如しってマジだな。
そんなこんなで七海邸内滑走路に降り立った私である。
「桐！どうだ、フランスは楽しめたか？」
「重畳の至りだったよ。ありがとう、龍水」
龍水はその言葉を受けて優しく目を細めると、私の手を掬って手の甲にひとつキスを落とす。
「それは光栄だな。今度はメトロポリタンでどうだ？」
「わあ素敵な誘い文句。私じゃなかったら惚れてるね」
「はっはー、手強いな！」
いや正直そろそろキチーところはある。なんかしらのイベントがあったらコロッといきそうだ。
「桐様、少々よろしいでしょうか」
ガッチリ掴まれたままの手を半ば諦めつつ見つめていると、フランソワがそう声をかけてきた。私がきょとん、とフランソワを見ると、それを了承と取ったのか「お父様からご連絡がありまして」と続ける。
「今からアメリカに来て欲しいと」
「アメリカ」
「ヒューストンの方に」
「ヒューストン」
「なんでもNASAの方に用事があるらしく、折角だから桐様もということでした」
待てや。
私は頭を抱えた。フランスから日本経由アメリカ？何言ってんだ。まずお父さんもなんでこんな直前に言うんだ。もっとこう、予定をね、きちんと組んでもらって。
そこで「なら俺のプライベートジェットで送っていくぜ！燃料を充填しろ！」とか何とか言ってる龍水も落ち着いてもらって。
いつの間にか私の荷物作って持ってきてくれてるフランソワはそれどうやって家から持ってきた？
ツッコミ追いつかねえよ。あと二人くらい私が欲しい。
なお両親、やはり主な仕事を向こうでしなきゃならないそうで、私を日本に残して今はアメリカに住んでいる。時折急に帰ってきたりもするが、アレは仕事大丈夫なんだろうか。
「学校とかは……」
「ご連絡済みだそうです」
「ああもう行くっきゃないか、度々お世話になります龍水」
「はっはー！任せろ！アメリカまで無事送り届けてやるぜ！」
バッシィーン！！と指を鳴らし率先してプライベートジェットに乗り込む龍水。あっ君も行くんですね……学校どうしてんだ君。大丈夫か内申。
「あと叔母様が会いたいと仰っているそうで」
「行くっきゃねぇな！！！！」
「急に元気になったな桐」
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ももこ - めっちゃおもしろかったです！文才過ぎてガチ小説読んでるみたいでした！ (11月9日 18時) (
レス) @page20 id: 1bc8f0fbc1 (このIDを非表示/違反報告)
癒し系猫(プロフ) - 名前変換は出来ないのでしょうか? (5月29日 21時) (レス) @page1 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - あやめさん» ｵﾜﾜ〜〜〜〜ありがとうございます〜〜〜〜！！！！ (2020年12月12日 20時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！これからどうなるのか楽しみです！！！更新楽しみに待ってます！！！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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