79話 ページ8
「ここは………?」
目を覚ますと見覚えのある真っ白な空間だった。
キョロキョロと周りを見回していると
『ふふ。気分はどうかしら?』
少しウェーブがかった長い金髪、新緑のような緑色のドレスの姿の美しい女性が目の前に現れた。
突然現れた事に驚いたがアンシャルと同じ存在だろうと理解した。
女性はクスクスと口を隠しながら楽しそうに笑った。
『ここまで冷静に分析されると思わなかったわ。』
失礼なことをしたのかと慌てて謝るが気にしていないようだ。
『貴女の推測通り、私はアンシャル達と同じ存在であるデメテルと申します。』
デメテルさんは手本のようなお辞儀をして私に真剣な眼差しで話を続ける。
『まず1つ目は貴女を不当な事件に巻き込んでしまったことの謝罪をさせてほしいのです。』
キシャルの件だろうか。確かに大変だったがお陰で自分と向き合えたし結果オーライだという旨を伝えるとデメテルさんは寛大なお心遣い感謝しますと大仰な位畏まって御礼を言われた。
デメテルさんって高貴な感じなんだよね。きっとアンシャルの上司に当たる人だろう。
ほけっと見惚れているとまた笑われた。
『2つ目は貴女のこれからについてです。』
私の背筋がすっと冷えた。
私ははっきり言ってイレギュラー。この世界からいなくなることがベストなのだろう。なんと言い渡されるか固唾を飲み込んて待つと
『そんな緊張しなくても大丈夫ですよ。貴女の存在を無かったことになんてしませんから。』
「え?」
思わず呆けた声が出た。
『貴女のやったことは世界を救ったも同然のことなんですよ?そんな功績者に対してイレギュラーだから消えてくださいなんて誰が言うものですか。』
私の内心の不安を見てとったのか「大丈夫」と口元を緩めた。
『貴女のお陰で世界の均衡は保たれました。感謝の印に貴女の望みを叶えましょう。』
何でも構いませんよとデメテルさんはにこりと微笑んだ。
今後の私の生活についてを話しをすると思っていたので口をあんぐりと開けてると
『今後のことでしたら今まで通り過ごしていただいて結構ですよ。』
一番心配していた重要事項をさらっと終わらされた。
なんか呆気ないというか…
複雑な心境を読み取ったのか苦笑しながら私の望みを聞いてくる。
『富でも名誉でも何なりとどうぞ?』
どうやら答えないといけないようだ。
いざ望みと言われても…あ、そういえば。
「それじゃあ──」
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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時