第壱話_恐怖 ページ1
セクハラチックな表現が含まれます。
苦手な方はとばしてください。
ーーー
連れてこられたのは薄暗い部屋だった。
十畳ほどの広さの部屋のこの部屋には、行灯以外にはなにもない。窓らしき窪みも木の板を打ち付けられている。もちろん、外の様子を見ることはできない。
腕は後ろ手に縛られた。
両足は足枷をかけられて柱に括り付けられているので、一定距離以上は動けない。
太郎さんはこの部屋に私を連れてくると手足を拘束して部屋を出て行った。
頭の中を支配しているのは恐怖。
なにをされるのか、これから自分はどうなるのか。そんなことばかりを考えていた。
現代では無かった、人身売買と言う言葉が頭に浮かぶ。人買いと同じものなのかどうかはわからない。もしかしたら、違う何かなのかもしれない。
けれど今の自分の状態から考えるとどう考えても悪い方にしか想像ができなかった。
「待たせたな、Aちゃん」
太郎さんが戻ってきた。
声は出せないので視線をそちらへと向ける。
太郎さんの隣には洋装の男性が2人見えた。
男たちはジロジロとこちらを見ていて、その目は品定めをするかのようだ。
視線の気持ち悪さに身体を小さく丸める。
「生娘か?」
「だと思うぜ」
「齢は?」
「二十代前半ぐらいだな。話している限りは世間に疎い。どこかの令嬢の可能性も考えたが、置屋住まいだと言っていたからその可能性は低いぜ」
「ふむ」
3人で何かを話している。会話を聞く限り、それは私のことばかりだ。
この人たちはなんなのか。
訳がわからず男たちを見つめていた矢先だった。
「確認するか」
そう言って男が近づいてくる。
少しでも距離を取ろうと体を捩るが拘束されている今、その行動は意味をなさない。
あっという間に距離を詰められ、背筋にしや汗が伝う。
男が私の襟首を掴み自らの方に引き寄せた。その瞬間なにを確認するという意味だったのかはすぐに分かった。
『ひっ!!』
着物の襟が開かれて胸があらわになる。
慌てて体を動かして男から離れようとしたが、力で叶うはずもなくて。何度離れようとしても、腰紐を引っ張られて男の元へと戻される。
胸、腹、太腿などを体の感度を確かめるように触れられた。見知らぬ他人に触られているのだ。不快感しかない。
腕が縛られているので隠すことも、阻止することも許されない。恥ずかしさと恐怖でいっぱいになり、目からは自然と涙が溢れた。
だれか
たすけて……
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小崎相良(プロフ) - Koma?さん» お返事遅くなりすみません!ありがとうございます! (2022年1月22日 18時) (レス) id: 6783c5a7bd (このIDを非表示/違反報告)
Koma?(プロフ) - ちょーぜつ面白いですね!最近めいこい見始めて最初に出会った作品がこれで良かったです! (2022年1月16日 11時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 二酸化酸素さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年7月21日 22時) (レス) id: b1e523f101 (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - 本当にゲームをしてるような気分になりました (2021年7月19日 1時) (レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 鈴華さん» 楽しんでいただけたなら幸いです(o´艸`)!こちらこそ閲覧頂きまして、ありがとうございました! (2020年8月4日 23時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2020年2月23日 10時